【名誉毀損への対処法】内容証明で警告と慰謝料請求:法的措置のための例文と手続き

はじめに:名誉毀損という不法行為に泣き寝入りしないために

インターネットの匿名掲示板、SNS、あるいは職場や地域での噂話など、他者からの名誉毀損行為に苦しめられている方は少なくありません。
事実無根の悪評や、あたかも真実であるかのように装った誹謗中傷は、被害者の社会的信用を傷つけ、深刻な精神的苦痛を与えます。
これは単なる感情的な問題ではなく、法的な責任を伴う不法行為です。

名誉を毀損された場合、多くの方が「どうにかしてやめさせたい」「慰謝料を請求したい」と考えますが、感情的な抗議では火に油を注ぐことになりかねません。
必要なのは、あなたの怒りを法的な形式にのっとって相手に伝え、将来の法的手続きに備えた確固たる証拠を残すことです。

その役割を果たすのが、内容証明郵便です。
本記事では、内容証明郵便の作成を専門とする行政書士として、名誉毀損行為に対して冷静かつ効果的に対応するための法的知識と、具体的な文書の書き方を解説します。

この記事であなたが掴める情報

この記事を最後までお読みいただくことで、あなたは名誉毀損という被害に対し、どのように法的に対処すべきか、その道筋を明確に理解できます。
まず、どのような行為が法的な「名誉毀損」として認められるのか、その定義と裁判における判断基準を知ることができます。
次に、あなたの意思表示を公的に証明し、後の訴訟で不可欠な証拠となる内容証明郵便の役割を深く理解できます。
そして、最も知りたいであろう、行為の停止要求と慰謝料請求を盛り込んだ具体的な内容証明の例文を参考に、ご自身の状況に合わせた書面作成のポイントを掴むことができます。
行政書士のような専門家と連携することで、感情的な対応を避け、迅速かつ正確に法的手続きの準備を進めることが可能になるでしょう。

トラブル事例:インターネット上の誹謗中傷に苦しむBさんの対応

これはあくまで架空の事例です。

地方で事業を営むBさんは、ある匿名掲示板に、Bさんの会社が提供するサービスについて、事実に反する悪質な書き込みを繰り返し行われていることを知りました。
「〇〇社の社長は違法な手口で利益を得ている」「顧客の個人情報を流出させている」といった書き込みは、Bさんの会社の信用を著しく傷つけ、新規顧客の獲得にも悪影響が出始めていました。

Bさんは当初、掲示板の運営者に削除を依頼しましたが、対応は遅く、書き込みは拡散する一方でした。
精神的なストレスは極限に達し、Bさんはこの行為をやめさせ、被害に対する慰謝料を請求したいと考えました。

Bさんが必要としたのは、単なる感情的な削除要求ではなく、「この書き込みは名誉毀損という不法行為に該当する」「直ちに削除と謝罪を求め、従わなければ法的措置を講じる」という明確な意思表示を、相手に到達した証拠付きで通知することでした。
この意思表示を行うことで、相手方に対し、今後の行為を思いとどまらせる強いプレッシャーを与えるとともに、後の裁判で「通知した」という重要な証拠を確保できます。

専門解説:名誉毀損と戦うための3つの法的根拠

名誉毀損行為に対して法的に対応する場合、あなたが主張の根拠とすべき主要な法的概念がいくつかあります。
内容証明には、これらの根拠に基づき、請求の正当性を示すことが求められます。

1.名誉毀損(刑法上の概念)

これは、公然と事実を摘示し、人の名誉を毀損した場合に成立する犯罪です。ここでいう「事実の摘示」とは、それが真実であるか否かにかかわらず、人の社会的評価を低下させるに足る具体的事柄を示す行為を指します。内容証明に、相手方の行為がこの刑法上の名誉毀損に該当する可能性を指摘することで、相手方に対し、刑事罰を受ける可能性を示唆する強い警告となります。

2.不法行為(民法上の概念)

民法第709条に規定されており、故意または過失によって他人の権利または法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負います。名誉毀損行為は、まさにこの「法律上保護される利益(名誉権)」を侵害する不法行為であり、この規定こそが、損害賠償請求の直接的な法的根拠となります。内容証明では、相手方の行為がこの不法行為に該当することを指摘し、慰謝料請求へと繋げます。

3.慰謝料請求権(いしゃりょうせいきゅうけん)

不法行為によって精神的な苦痛を被った被害者が、加害者に対してその損害の賠償を請求する権利です。名誉毀損の場合、被害者は精神的苦痛を被るため、その賠償として慰謝料を請求することができます。内容証明郵便には、「上記不法行為により生じた精神的苦痛に対する慰謝料として〇〇円を請求する」といった具体的な請求額と根拠を明記することで、請求の意思を確定させます。

【名誉毀損・慰謝料請求】内容証明郵便の具体的な文例

名誉毀損の停止要求と慰謝料請求を目的とした内容証明郵便の文例を、一部抜粋して示します。この文例は、ご自身の被害状況に合わせてカスタマイズが必要です。

通知書

冠省
当職は、通知人〇〇の代理人(または通知人本人)として、貴殿に対し、下記の行為に関する警告と損害賠償請求の意思を明確に通知いたします。

1.貴殿による名誉毀損行為の事実 貴殿は、令和〇年〇月〇日頃から現在に至るまで、インターネット上の匿名掲示板「〇〇」において、当職(または通知人)について「〇〇社の社長は違法な手口で利益を得ている」という事実に反する書き込みを継続的に行っています。これは、当職(または通知人)の名誉を著しく毀損する不法行為(民法第709条)に該当します。

2.請求事項 貴殿の行為は上記のとおり刑法および民法上の責任を負うべき行為であるため、本書面到達後直ちに、下記を履行することを要求いたします。 (1)上記記載のすべての書き込みを直ちに削除すること。 (2)上記不法行為により当職(または通知人)が被った精神的苦痛に対する慰謝料として金〇〇万円を、本書面到達後〇日以内に、下記指定口座に振り込むこと。

3.警告 もし貴殿が上記請求に応じない場合は、当職は、貴殿に対し、刑事告訴および民事訴訟提起を含む一切の法的手段を講じることを、本書面をもって警告いたします。

以上

まとめ:名誉毀損の内容証明は、法的手続きへの「最初の一歩」

名誉毀損行為に対する内容証明郵便は、単なる手紙や警告文ではなく、「法的な要求と警告を公的に証明する文書」です。
この通知を行うことで、あなたは、行為の停止を強く促すとともに、相手が請求を無視した場合に損害賠償請求訴訟へ移行するための重要な証拠を確保することができます。

しかし、文例をそのまま利用することは、あなたの個別の被害状況や、相手の素性、名誉毀損の具体的な内容といった重要な要素を見落とす危険性があります。
例えば、慰謝料の額は被害の深刻度や証拠の確実性によって変動しますし、匿名掲示板の場合は発信者情報開示請求という別の手続きが必要になる場合もあります。

内容証明の作成は、これらの法的要素を正確に反映させ、あなたの権利を最大限に守るための、法的手続きへの「最初の一歩」として位置づけられるべきなのです。

証拠を固め、権利を守る:内容証明作成は行政書士にお任せください

名誉毀損の被害に遭われた方は、精神的な苦痛を抱えながら、法的な手続きを進めるという二重の困難に直面しています。

私たち行政書士は、名誉毀損の内容証明郵便の作成を専門とし、お客様の抱えるトラブルを法的に正確に、かつ迅速に解決するためのサポートを提供します。

  • 法的根拠の明確化: どのような書き込みや言動が名誉毀損に該当するのかを法的に分析し、慰謝料請求の根拠を明確にします。
  • 正確な文面作成: 感情的な言葉を排し、民法上の不法行為と、刑法上の名誉毀損の可能性を示すなど、法的な専門用語を適切に使用した、証拠能力の高い文書を作成します。
  • 次のステップへの準備: 内容証明が無視された場合の、発信者情報開示請求や裁判手続への移行を視野に入れた文書を作成し、弁護士など次の専門家へスムーズに引き継げるようサポートします。
  • 合意文書・公正証書の作成: 相手方が謝罪や慰謝料の支払いに応じた場合、その和解内容を公正証書として作成することで、将来の支払いの不履行に備えた強力な法的手段(強制執行力)を確保します。公正証書は行政書士の重要な専門業務の一つであり、この一連の文書作成をサポートすることで、お客様の安心を確実なものにします。

名誉毀損という不法行為に泣き寝入りすることなく、あなたの権利と社会的信用を守るため、まずは私たち行政書士にご相談ください。あなたの状況に合わせた最も効果的な内容証明を作成し、トラブルの解決に向けた第一歩を共に踏み出しましょう。

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