フリマアプリでの購入トラブルと内容証明郵便の活用法を行政書士が解説

フリマアプリの普及により、誰もが気軽に物を売り買いできる時代になりました。手軽に不要品を売却したり、欲しかった商品を安価で手に入れたりできる利便性は、私たちの生活に深く根付いています。

しかし、その手軽さの裏側には、「商品が届かない」「説明と違うものが届いた」「返金に応じてくれない」といった、予期せぬトラブルが増えている現実もあります。

このような場合、単に泣き寝入りするのではなく、法的手段をとることで解決の道が開けることがあります。その有力な方法のひとつが「内容証明郵便」です。

本記事では、東京都江東区にある東京深川行政書士事務所が、フリマアプリでのトラブルに対処するための基本知識や具体的な事例、そして内容証明郵便の使い方を分かりやすく解説します。

この記事を読み進めることで、以下の点について理解を深めることができます。

  • フリマアプリで起きやすい法律トラブルの種類と背景
  • 内容証明郵便とは何か、どのように使うのか
  • 専門家に依頼すべきタイミングとメリット

あなたのフリマアプリでの取引が、より安心して行えるよう、本記事が具体的な手助けとなることを願っています。

背景・基本知識の解説

フリマアプリでのトラブルに冷静かつ効果的に対処するためには、関連する専門知識を理解しておくことが重要です。

行政書士とはどのような専門家か

行政書士は、法律の専門家として、契約書や内容証明郵便などの書類作成を通じて、個人の法的トラブルを未然に防ぎ、また問題解決のサポートを行う職務を担っています。

弁護士と異なり、訴訟行為を代理することはできませんが、書面による交渉や証拠づくりにおいて重要な役割を果たします。法的な根拠に基づいた適切な書類作成は、トラブル解決において非常に強力な武器となります。

例えば、相手方への意思表示を明確にし、後の法的措置に備えるための証拠を確保する際に、行政書士の専門知識が役立ちます。

フリマアプリに潜む法的リスク

個人間取引が中心となるフリマアプリでは、消費者保護法特定商取引法が必ずしも適用されないという特性があります。

これらの法律は、通常、事業者と消費者の取引において消費者を保護するために存在しますが、フリマアプリでの取引では、売主・買主ともに「事業者」ではない場合がほとんどです。

このため、トラブルが発生した際には、民法上の契約不履行損害賠償請求の枠組みで解決を図る必要があります。

例えば、売買契約の成立、商品の引渡し義務、代金支払い義務、瑕疵担保責任(売買の目的物に隠れた欠陥があった場合の責任)といった民法の基本的な考え方が適用されることになります。

個人間の取引だからこそ、思わぬ落とし穴に注意が必要です。

内容証明郵便の役割と効果

内容証明郵便は、郵便局が「誰が、いつ、どのような内容の文書を相手に送ったか」を公的に証明してくれる郵便制度です。

これは、単に手紙を送るのとは異なり、相手に文書が到達した事実と、その文書の内容を客観的に記録として残すことができます。

フリマアプリでのトラブルでは、「返金を求める意思をはっきり伝える」「損害賠償請求を検討していることを示す」「裁判を視野に入れていることを示す」目的で利用されることが多くあります。

内容証明郵便を送ることで、相手方が問題を放置できなくなり、対応が変わるケースも少なくありません。

例えば、相手方が返金を渋っていたとしても、内容証明郵便という公的な手段で通知することで、相手方が事態の深刻さを認識し、問題解決に向けて動き出すきっかけとなることがあります。

法的措置を検討している旨を伝えることで、相手に心理的なプレッシャーを与える効果も期待できます。

実際に起こった事例紹介

実際にフリマアプリで起こりがちなトラブル事例を3つご紹介し、内容証明郵便を活用した解決の可能性について解説します。

事例1 届いた商品が壊れていたが、返品・返金に応じてもらえない

20代女性がフリマアプリで購入した家電が、動作不良の状態で届きました。商品は「美品」と記載されており、到着を楽しみにしていましたが、実際に届いたものは電源が入らない状態でした。

すぐにメッセージで出品者に連絡したところ、「発送時は正常だったので返品不可」と一方的に拒否されてしまい、解決の糸口が見えずに困惑しました。

このケースでは、売主が出品時に商品説明とは異なる状態の商品を販売したことになり、民法上の契約内容との不適合(旧 瑕疵担保責任)に該当する可能性があります。

買主は、売主に対して商品の修理や交換、あるいは代金の減額や契約の解除、損害賠償を請求できる可能性があります。

行政書士による対応と結果

東京深川行政書士事務所が介入し、内容証明郵便で商品の具体的な状態、買主が求める返金要求、そして返金に応じる場合の対応期限を明記した書面を送付しました。

書面には、民法上の契約不適合責任に関する言及も含まれ、法的な根拠に基づいた主張を行いました。

結果として、出品者から連絡があり、女性が支払った商品代金全額の返金対応がなされ、トラブルは解決に至りました。

内容証明郵便によって、出品者は事態の深刻さを認識し、法的措置に進む前に解決を図ろうとしたと考えられます。

事例2 購入後に音信不通 商品が届かず

30代男性がフリマアプリで高額なブランド品を購入したものの、代金を支払った後に出品者と連絡が取れなくなりました。

発送通知もされず、メッセージを送っても既読にならない状態が続き、アプリ内での交渉にも応じてもらえず、男性は困惑していました。

このケースは、出品者が代金を受け取ったにもかかわらず商品を発送しないため、民法上の契約不履行(商品の引渡し義務違反)に該当する可能性が高いです。また、当初から商品を発送する意思がなかった場合は、詐欺罪に該当する可能性も考えられます。

行政書士による対応と結果

男性は東京深川行政書士事務所に依頼しました。事務所は、出品者に対して、代金受領後も商品が発送されていない事実と、この状況が詐欺行為に当たる可能性があることを示す内容証明郵便を送付しました。

書面には、期限までに商品発送または返金がなされない場合には、法的な手段を講じる意向があることも明確に記載しました。

内容証明郵便が送付された数日後、出品者側から連絡があり、男性が購入したブランド品が発送され、無事に商品を受け取ることができ、トラブルは収束しました。

内容証明郵便の送付が、出品者に行動を促す強い動機となったことがうかがえます。

事例3 説明と異なる商品が届き、返品に応じない

40代女性がフリマアプリで「新品未使用」とされていた化粧品を購入しました。しかし、実際に届いた化粧品は開封済みであり、明らかに使用感がありました。

女性はすぐに返品を申し出ましたが、出品者からは「ノークレーム・ノーリターン」という記載を理由に拒否されてしまいました。

このケースでは、出品者が商品状態について虚偽の説明をした可能性があり、民法上の契約内容との不適合、または詐欺に該当する可能性があります。

また、出品者の「ノークレーム・ノーリターン」という主張は、商品の説明と明らかに異なる場合は有効性が認められないことが多いです。

行政書士による対応と結果

女性は東京深川行政書士事務所に相談し、事務所は出品者に対して、内容証明郵便で「商品説明に虚偽があり、民法上の錯誤または不法行為に基づき返金請求が可能である」旨を通知しました。

書面には、虚偽の記載があった証拠(商品の写真や商品説明のスクリーンショットなど)を添付し、法的な根拠を明確に示しました。

この通知により、出品者は自身の主張が法的に通用しないことを認識し、結果として返品と商品代金の一部返金が実現し、女性は納得のいく形でトラブルを解決することができました。

フリマアプリでのトラブルに効果的に対処し、問題を解決するためには、適切な手順と専門家の活用が有効です。

専門家に依頼する流れ

フリマトラブルが発生した際、ご自身で対応するよりも、専門家である行政書士に相談することで、よりスムーズに内容証明郵便を作成し、相手方との交渉を進めることができます。依頼時には、以下の情報をまとめておくと、行政書士が状況を正確に把握し、効率的に手続きを進めることが可能です。

購入日時と商品情報

商品名、価格、取引日時、取引IDなど、具体的な情報を整理しておきましょう。

相手とのやり取り

アプリ内のメッセージ、メール、チャット履歴など、相手との交渉の経緯がわかるスクリーンショットや文章を保存しておきましょう。これは、トラブルの経緯や相手の主張を証明する重要な証拠となります。

被害額と求める対応

支払った金額、損害の具体的な内容、そして返金、返品、交換など、ご自身が相手に何を求めているのかを明確にしておきましょう。

行政書士は、これらの情報に基づき、法的な観点から文面を整え、相手方に強い印象を与える内容証明を作成します。これにより、感情的な衝突を避けつつ、法的な立場を明確に伝えることが可能になります。

よくある失敗と注意点

フリマアプリでのトラブル解決において、ご自身で対応する際に陥りやすい失敗と、その注意点を知っておくことが重要です。

感情的な文面を送ってしまう

怒りや不満が募るあまり、感情的な言葉遣いで相手にメッセージを送ってしまうことがあります。しかし、感情的な文面は、かえって相手を刺激し、話し合いをこじらせる原因となる場合があります。

法的な文書では、客観的な事実に基づき、冷静かつ論理的に主張することが求められます。

書類に不備がある

内容証明郵便を作成する際、法律に定められた書式や記載事項に不備があると、郵便局から受け付けてもらえなかったり、法的な効果が認められなかったりすることがあります。正確な書類作成には専門知識が必要です。

相手にとって不適切な要求をする

法的な根拠がない要求や、過大な要求をしてしまうと、相手に真剣に取り合ってもらえない可能性があります。また、交渉決裂の原因となることもあります。適切な要求を行うためには、ご自身の権利と相手の義務について、正確な知識を持つ必要があります。

これらの失敗は、トラブル解決を遠ざけるだけでなく、かえってご自身に不利な状況を招くこともあるため、専門家に任せるのが無難です。行政書士は、これらのリスクを回避し、適切な手続きをサポートします。

まとめ

フリマアプリでのトラブルは、誰にでも起こり得る身近な問題です。しかし、適切な知識と対応策があれば、泣き寝入りすることなく解決に導くことができます。

今できることは「証拠の保存」と「専門家への相談」

フリマアプリでのトラブルに巻き込まれたら、まず冷静に相手とのやり取りや商品の状態を記録・保存してください。これらは、後の交渉や法的手続きにおいて非常に重要な証拠となります。そして、できるだけ早く行政書士に相談することをおすすめします。

以下のような方は、すぐにご相談ください。

  • メッセージを送っても相手から返答がない
  • 返品や返金を求めても応じてもらえない
  • 内容証明郵便の書き方がわからない
  • トラブルの解決方法が全く分からない

東京深川行政書士事務所では

当事務所では、内容証明郵便の作成代行トラブル解決のための書面サポート、必要に応じた他士業との連携(弁護士など)を通じて、安心して利用者が次の一歩を踏み出せるよう支援しています。

書類作成のプロフェッショナルである行政書士に相談することで、感情的な衝突を避けつつ、法的な立場を明確にすることができます。フリマアプリでのトラブルを一人で抱え込まず、ぜひ東京深川行政書士事務所にご相談ください。

私たちは、あなたの問題解決に真摯に向き合い、最適なサポートを提供いたします。

 

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