1. はじめに
「マッチングアプリで出会った相手が、まさかの既婚者だった」
そんな衝撃的な事実に直面し、精神的なショックだけでなく、費やした時間やお金の損失に苦しんでいませんか? 東京都江東区にある東京深川行政書士事務所では、近年増加するマッチングアプリに関する法的トラブルの相談を数多く受けています。中でも、「独身だと信じて交際していたのに、実は既婚者だった」というケースは少なくありません。
「どうせ恋愛のことだから」「もう終わったことだから」と、諦めて泣き寝入りしてしまう方も多いのが実情です。しかし、一定の条件を満たせば、あなたは法的に「訴えること」ができるかもしれません。
本記事では、そうした事案に対して「法的に訴えることができるのか」「どのような手続きが可能なのか」などを行政書士の視点からわかりやすく解説します。
この記事でわかること
- マッチングアプリで既婚者に騙されたときの法的対応の可能性
- 慰謝料請求や内容証明郵便の現実的な手段
- 専門家に相談する際のポイントと流れ
2. マッチングアプリの既婚者トラブルと行政書士の役割
行政書士とは何か
私たち行政書士は、法律に関する文書作成や、行政機関への手続きを代行する国家資格者です。皆さんの日常生活やビジネスにおける様々な法的ニーズに対応し、特に契約書や内容証明郵便といった書類作成を通じて、トラブルの未然防止や解決をサポートします。このような個人間の紛争の初期段階において、法的な書面を作成し、皆さんの権利を守るお手伝いをすることができます。
なぜマッチングアプリで既婚者トラブルが増えているのか
マッチングアプリの普及に伴い、「既婚者が独身を装って交際する」ケースが社会問題化しています。多くのマッチングアプリは利用規約上、既婚者の利用を禁止していますが、身分証による婚姻状況の厳密な確認があるわけではなく、実際の婚姻状況を偽ることは技術的に容易です。
独身だと信じて真剣に交際を始めたにもかかわらず、実は相手が既婚者だったという事実は、精神的に大きなショックを与えるだけでなく、婚活の機会損失、交際のために費やした時間や金銭など、多大な損害を生じさせることがあります。
法的に訴えることはできる?
こうした事案に対して、「騙された側」が法的手段を取ることは可能です。多くの場合、これは「不貞行為による慰謝料請求」という形で検討されます。ただし、慰謝料請求を行うためにはいくつかのハードルを越える必要があります。
例えば、
- 既婚者であると知らずに関係を持ったか: 相手が既婚者だと知っていた場合は、請求が難しくなることがあります。
- 経済的・精神的損害が発生したか: 被害の程度が慰謝料請求の根拠となります。
- 証拠があるか: 相手が既婚者である証拠、独身だと偽っていた証拠、交際していた証拠などが重要になります。
行政書士がサポートできること
行政書士は、民事訴訟の代理はできませんが、慰謝料請求の初期段階において大きな力を発揮します。
- 内容証明郵便の作成: 相手に慰謝料を請求する意思を明確に伝え、その事実を公的に記録として残すことができます。これは、その後の交渉や、万が一訴訟になった場合の重要な証拠となります。
- 慰謝料請求に関する相談: どのような証拠が必要か、どれくらいの慰謝料が妥当かなど、法的な視点からアドバイスを行います。
- 示談書の作成サポート: 相手と示談が成立した場合に、その内容を法的に有効な書面として残すお手伝いをします。
トラブルを初期段階で抑えることができるという点でも、行政書士への早期の専門家相談は大きな意味があります。
3 事例紹介:既婚者トラブルと解決への道のり
ここでは、マッチングアプリで既婚者と判明し、実際にトラブルに発展した事例を3つご紹介します。
事例1 3か月交際後に既婚が発覚し、慰謝料請求を検討したケース
30代女性Aさんは、ペアーズで出会った男性と真剣に交際を開始。約3か月間、独身だと信じて交際を続けていましたが、共通の知人を通じて男性が既婚者であることが判明しました。Aさんは精神的なショックが大きく、裏切られた気持ちでいっぱいになり、慰謝料を請求したいと東京深川行政書士事務所にご相談いただきました。
行政書士は、Aさんと男性とのLINEやマッチングアプリのメッセージ履歴(独身だと偽っていた内容や交際がわかるやり取り)、SNSでの交際を匂わせる投稿などを細かくヒアリングし、証拠として整理しました。これらの証拠をもとに、男性に対して内容証明郵便で慰謝料請求を行いました。
結果: 内容証明郵便が届いた後、男性から連絡があり、示談交渉に応じる姿勢を見せました。最終的に、弁護士を介さずに示談交渉が進み、男性から示談金15万円が支払われることで合意に至り、Aさんは精神的な区切りをつけることができました。
事例2 半年交際し妊娠、婚姻事実を隠されたままのケース
40代女性Bさんは、マッチングアプリで出会った男性と半年間交際。妊娠が発覚し結婚の話を進めようとしたところ、男性が実は既婚者であることを隠していたことが判明しました。Bさんは深い精神的苦痛と、今後の生活への不安を抱え、慰謝料請求を検討したいと東京深川行政書士事務所にご相談いただきました。
行政書士は、Bさんと男性との交際履歴、妊娠がわかる証拠などを詳しくヒアリングし、法的に有効な内容で男性に対して内容証明郵便を作成・送付しました。しかし、男性は慰謝料請求に応じず、話し合いも困難な状況でした。
結果: 行政書士は、このケースが紛争性を伴うため、訴訟も視野に入れるべき事案であると判断。弁護士と連携し、弁護士がBさんの代理人となって民事訴訟を提起しました。最終的に、裁判所での和解が成立し、Bさんは慰謝料70万円を受け取ることができました。行政書士による初期の内容証明作成が、その後の弁護士による訴訟への移行をスムーズにした事例です。
事例3 被害が軽微なため訴えるか迷ったが、注意喚起につながったケース
20代男性Cさんは、マッチングアプリで知り合った既婚女性と、数回デートを重ねました。しかし、交際が進展する前に、女性が既婚者であることが偶然判明し、すぐに交際を終了しました。金銭的な被害はほとんどなかったため、Cさんは法的な対応をするべきか迷っていました。
Cさんは、自分のケースは慰謝料請求の対象になるか、また、今後同じような被害者が出ないかという不安から、東京深川行政書士事務所に相談されました。行政書士は、Cさんの被害状況を詳しくヒアリングし、現時点での法的対応の可能性や、もし今後同様の被害に遭った場合の対処法などを説明しました。
結果: このケースでは、具体的な金銭的損害が軽微であったため、Cさんは法的な請求を見送りました。しかし、Cさんの経験が、他の被害者を未然に防ぐことにつながるかもしれないという行政書士の提案を受け、Cさんの同意のもと、行政書士がマッチングアプリの既婚者トラブルに関する注意喚起の記事を作成し、広く情報発信を行うきっかけとなりました。
これらの事例からもわかるように、「損害が発生したか」「証拠が揃っているか」によって対応方法が異なります。そして、早めの対応が、問題の早期解決のカギとなります。
4. 泣き寝入りしないための準備と専門家選びのポイント
マッチングアプリで既婚者に騙されてしまった場合、一人で抱え込まず、適切な対応をすることが大切です。
まずは「証拠」を確保する
法的な対応を検討する上で、最も重要になるのが証拠です。以下のものを可能な限り保存しておきましょう。
- LINEやマッチングアプリのメッセージ履歴: 相手が独身だと偽っていたメッセージ、交際を伺わせるやり取り、金銭のやり取りに関する内容などを、スクリーンショットを撮るなどして残しましょう。
- SNS上での既婚情報: 相手のSNSアカウントで既婚を匂わせる投稿や、家族に関する情報などがあれば、スクリーンショットを撮っておきましょう。
- 相手のプロフィール画像やアカウント情報: マッチングアプリのプロフィール画面や、相手の顔写真、自己紹介文なども証拠になることがあります。
- 交際を示す写真や記録: 一緒に行った場所の写真、デートの記録、プレゼントのレシートなども証拠となることがあります。
専門家に行政書士や弁護士に相談する
証拠を確保したら、次に行政書士や弁護士に相談することを検討しましょう。
- 行政書士: 内容証明郵便による慰謝料請求、事実確認の通知、示談書の作成などをサポートできます。相手との直接的な交渉を避けたい場合や、まだ訴訟まで考えていない段階で、法的な意思表示をしたい場合に有効です。
- 弁護士: 交渉の代理、訴訟提起、和解交渉など、法的紛争解決の全般に対応できます。慰謝料が高額になる場合や、相手が一切話し合いに応じない場合に、弁護士に依頼するのが一般的です。
よくある失敗例と注意点
- 感情に任せて相手に連絡し、証拠を消される: 相手が逆上して、メッセージ履歴などを削除してしまう可能性があります。証拠を確保するまでは冷静に対応しましょう。
- 内容証明郵便の文面が感情的すぎて逆効果になる: 自分で内容証明を作成した場合、感情的な言葉遣いになってしまい、相手に真剣さが伝わらなかったり、かえってトラブルを悪化させたりすることがあります。専門家は、法的に有効かつ冷静な文面を作成できます。
また、行政書士は弁護士と連携できる事務所も多いため、必要に応じて訴訟対応への橋渡しがスムーズに行えます。
専門家を選ぶときに気をつけるべきこと
- 専門分野: マッチングアプリトラブルや不貞行為の慰謝料請求の実績があるか確認しましょう。
- 相談のしやすさ: あなたの気持ちに寄り添い、専門用語を使わずに分かりやすく説明してくれるかどうかも重要です。
- 事前の準備: 相談時には、これまでの経緯を時系列でメモしたり、関係する資料を整理して持参すると、スムーズな相談ができます。
5. まとめ:泣き寝入りせず、納得のいく解決へ
マッチングアプリで既婚者と知らずに交際していた場合、多くの方が「まさか自分が」と途方に暮れてしまいます。しかし、被害者側が泣き寝入りするのではなく、「証拠を押さえる」「法的に意思表示をする」ことが相手への抑止力となり、解決への大きな一歩となります。
本記事で紹介した通り、
- 既婚の事実を隠していたことによる精神的損害
- 婚活における時間的・経済的損失
- 真剣な出会いを求めていたのに、信頼を裏切られたことへの社会的対抗
といった観点から、内容証明郵便による警告や慰謝料請求は十分に検討に値します。
東京深川行政書士事務所では、
- マッチングアプリ関連のトラブル相談
- 内容証明郵便の作成代行
- 示談書や合意書の文案作成
を行っております。一人で悩みを抱え込まず、まずはお気軽にご相談ください。
今すぐできること
- 証拠の確保: メッセージ履歴やプロフィール画面など、関係する情報を保存しましょう。
- 状況の整理: いつ、何があったのか、時系列でメモを作成しましょう。
- 専門家へ相談: あなたの状況に合った対応を一緒に考えます。
「泣き寝入り」ではなく、「納得できる対応」へ。まずは、私たちにお気軽にご連絡ください。
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