YouTuberと編集者の契約書、ここが落とし穴!安心して動画制作を進めるために押さえておきたいポイント

1. はじめに

動画編集業務の委託は、互いの信頼関係があってこそ成り立つものですが、契約内容が曖昧だったために報酬未払い、著作権の争い、突然の契約解除など、思わぬトラブルが後を絶ちません。

とくに個人間でのやり取りやSNSを介した仕事の依頼では、「とりあえず始めてみよう」と契約書を交わさずにスタートするケースが非常に多いのが現状です。しかし、事後のトラブル解決には多大な労力とコストがかかります。

本記事では、YouTuberと動画編集者が業務委託契約を結ぶ際に注意すべきポイントや、実際の事例をもとに、安心して取引を進めるための知識をお伝えします。

この記事でわかること

  • YouTuberと編集者間で契約書を作成する意味と重要性
  • 業務委託契約書で特に注意すべき5つのポイント
  • 実際に起きたトラブルとその防止策

2. 契約書の必要性と法的背景

YouTube業界では、業務委託契約が主流ですが、「契約書がない」「口頭だけの約束」というケースが今なお少なくありません。

しかし、口頭契約には法的な証拠能力が乏しく、言った言わないの争いに発展しやすいのが実情です。契約書は、報酬や納期、著作権などの取り決めを文書化し、トラブルを未然に防ぐための強力なツールとなります。

契約書があることで、双方の合意内容が明確になり、業務遂行上の責任範囲や、万一トラブルが発生した際の対応方針まで可視化されます。安心して仕事を任せ合うための信頼の土台といえるでしょう。

また、契約内容があいまいなまま業務を進めることで、動画の公開ができなかったり、報酬が支払われなかったりするリスクもあります。YouTuber側だけでなく、編集者側にとっても「自分を守る盾」となるのが契約書なのです。

契約書を専門家にチェックしてもらうことで、自分にとって不利な内容や曖昧な条項を見落とさずに済みます。とくに報酬や著作権、秘密保持義務に関しては、業界特有のルールや考え方があるため、行政書士などの専門家に相談することが安心につながります。

3. よくあるトラブル事例 3選

報酬トラブル!「ボーナスを払う」と言ったのに…

動画再生数が100万回を超えたら「ボーナスを払う」と口頭で言われた編集者。しかし、具体的な金額や支払い条件が契約書に明記されていなかったため、結局少額の支払いで済まされてしまいました。

【対策】報酬やインセンティブの条件は必ず契約書に記載する。金額・支払い日・成果条件などを明文化することが重要です。

著作権は誰のもの?自分が作った素材を二次使用された!

編集者が自分で購入したBGMや撮影した映像を使った動画を、YouTuberが無断で別のSNSで使用。著作権をめぐる対立に発展しました。

【対策】動画の著作権については、契約書に「成果物に関する著作権はYouTuberに譲渡される」など明記しておくことでトラブルを防げます。

突然の契約解除!納品直前で無報酬に?

公開予定日の前日に納品した動画が、「他の編集者の方が良いから」との理由で一方的にキャンセルされ、報酬も支払われなかった。

【対策】契約期間・解除条件・中途解約時の報酬支払いについて明記しておくことで、急なキャンセルでも損失を回避できます。

4.契約トラブルを防ぐための実践的なポイント

トラブルを未然に防ぐためには、テンプレートを使い回すのではなく、業務内容や契約条件に応じてオーダーメイドで契約書を作成することが重要です。

行政書士に依頼する場合、ヒアリングを通じて個別事情に即した条項を組み立てることが可能です。また、不明点を事前に質問できるため、契約当事者双方が納得したうえで契約を締結できます。

自分で契約書を作成する場合も、「具体的に記載する」「一方に不利な条項がないか確認する」「解除条件を明確にする」といった点に気を配ることで、一定のリスクを減らすことが可能です。

さらに、万が一トラブルが起きた場合に備えて、契約書はPDF等で保存し、メールやチャットで交わしたやり取りも保管しておくと証拠として有効です。こうした備えが、後のトラブル対応を円滑にしてくれます。

5. まとめ

YouTuberと編集者の関係は、信頼に基づいたクリエイティブな協業です。だからこそ、お互いを守るためにも、きちんとした契約書の作成は不可欠です。

本記事で紹介したように、報酬や著作権、解除条件を明記することで、トラブルの多くは未然に防げます。また、「どこまでが自分の責任か」「相手が契約違反したらどうなるか」を契約書で明確にしておけば、いざという時にも冷静に対処できます。

契約書があることで、取引の信頼性が格段に高まり、長期的なパートナーシップの構築にもつながります。逆に契約書がない状態は、お互いに不安を抱えながら業務を進めることになりかねません。

【東京深川行政書士事務所】では、YouTube業界に関する業務委託契約書の作成やチェックを多数手がけております。「契約書をどう作ればいいか分からない」「今ある契約書が適切か不安」といった方も、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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