古い家が売れないときどうする?原因別の解決策と最終手段まで徹底解説
「不動産会社に出してから半年以上経つのに、まったく反応がない」「内覧はあっても、なぜか成約につながらない」——古い家の売却がうまくいかず、途方に暮れている方は少なくありません。
実は、古い家が売れない理由には必ず原因があります。原因を正確に把握せずに「待ち続ける」だけでは、固定資産税や管理費だけが積み上がっていきます。
この記事では、古い家が売れない主な原因を整理したうえで、状況に合った打開策・最終手段まで具体的に解説します。「もう手の打ちようがない」と諦める前に、ぜひ一度読んでみてください。
古い家が売れない主な原因を特定しよう
打開策を考える前に、まず「なぜ売れないのか」を正確に把握することが重要です。原因によって、取るべき対策がまったく変わってきます。
原因①|価格設定が相場と合っていない
売れない理由の中でもっとも多いのが、価格の設定ミスです。築古物件は市場での需要が限られるにもかかわらず、「思い入れがある」「リフォームにお金をかけた」などの理由から、相場より高い価格で出し続けているケースが少なくありません。
目安として、同じエリアの同程度の物件と比べて10〜15%以上高い価格になっている場合は、価格設定を見直すサインです。不動産ポータルサイト(SUUMO・HOME'Sなど)で類似物件の価格を確認してみましょう。
原因②|立地・エリアの需要が低い
駅から遠い・バス路線が廃止された・人口が急減しているエリアの物件は、価格を下げても買い手が見つかりにくいことがあります。とくに地方や過疎化が進む地域では、「タダでも引き取り手がいない」という状況になることもあります。
この場合、売却以外の選択肢(賃貸・空き家バンク・国庫帰属)も視野に入れる必要があります。
原因③|建物の老朽化・耐震性への不安
1981年(昭和56年)5月以前に建てられた建物は「旧耐震基準」で建築されており、現行の耐震基準を満たしていない可能性があります。買い手にとっては大きなリスクに映り、住宅ローンの審査が通りにくくなる要因にもなります。
また、雨漏り・シロアリ被害・基礎のひび割れなどが目に見える状態では、内覧者が敬遠するのは当然です。
原因④|権利関係・法的な問題がある
以下のような権利関係の問題がある物件は、買い手が購入をためらう原因になります。
- 共有名義:複数の相続人が共有している場合、全員の同意がないと売却できません
- 再建築不可物件:道路に2m以上接していない物件は、建て替えができないため需要が極端に限られます
- 境界が未確定:隣地との境界があいまいな物件は、住宅ローンの担保設定が難しく敬遠されます
- 抵当権が残っている:売却代金でローンを完済できない「オーバーローン」状態だと売却が難しくなります
原因⑤|販売活動が不十分
不動産会社に任せきりで、実際にどんな活動をしているか把握していないケースも少なくありません。物件情報がポータルサイトに掲載されていない・写真が暗くて魅力が伝わっていない・担当者が積極的に動いていないといった問題が、売れない原因になっていることもあります。
状況別・打開策を選ぼう
打開策①|まず価格を見直す
売り出して3ヶ月以上反応がない場合は、価格の引き下げを検討するタイミングです。一般的に、現在の価格から5〜10%引き下げることで問い合わせが増えることが多いとされています。
価格改定のポイントは、小刻みに何度も下げるより、ある程度まとめて一気に下げるほうが市場での反応を得やすい点です。「また下がった物件」という印象よりも、「価格改定で割安感が出た」という印象を与えられます。
打開策②|不動産会社を変える・複数に依頼する
同じ不動産会社に任せたまま何ヶ月も経過している場合は、会社を変えることを検討しましょう。媒介契約(不動産会社との契約)には以下の3種類があります。
- 専属専任媒介:1社のみ。業者は週1回の活動報告義務あり
- 専任媒介:1社のみ。業者は2週間に1回の活動報告義務あり
- 一般媒介:複数社に同時依頼可能。競争が生まれる
売れない場合は「一般媒介」に切り替えて複数社に依頼するか、古家・訳あり物件の取り扱い実績が豊富な会社に切り替えることを検討しましょう。
打開策③|建物を解体して更地にする
建物の状態が悪く「古家付き」では売れない場合、解体して更地にしてから売り出す方法があります。更地は建物への不安がなくなるため、買い手の裾野が広がります。
ただし、解体費用(木造30坪で100〜150万円程度)がかかること、更地にすると固定資産税の住宅用地特例が外れて税負担が増えることには注意が必要です。解体前に自治体の解体費補助金が使えるか確認しておきましょう。
打開策④|買取業者に依頼する
仲介で売れない物件でも、不動産買取業者なら購入してくれるケースがあります。買取業者は物件をリノベーション・解体して転売することを前提にしているため、築古・訳あり物件にも対応しています。
買取価格は市場相場の60〜80%程度になりますが、仲介手数料が不要で最短数週間で現金化できます。「多少安くても確実に・早く手放したい」という方に向いています。必ず複数社(3社以上)に無料査定を依頼して比較しましょう。
打開策⑤|ホームインスペクションで状態を「見える化」する
建物の状態への不安が買い手の購入をためらわせている場合、ホームインスペクション(建物状況調査)を受けることが効果的です。第三者の専門家が建物の状態を調査し、報告書を発行します。費用は5〜10万円程度です。
「問題がない」という調査結果があれば買い手の安心感が増し、「問題がある」場合でも価格に反映することで誠実な売却につながります。
打開策⑥|リフォームで訴求力を高める
内覧者は来るが成約に至らないケースでは、最低限のリフォームが効果的なこともあります。ただし、大規模リフォームは費用対効果が見合わないことが多いため、費用を抑えながら印象を改善することが重要です。
- 壁紙の張り替え・クロスの貼り直し(1部屋5〜15万円程度)
- 水回りの清掃・コーキングの打ち直し
- 外構・庭の草刈り・整理
- 照明の交換で室内を明るく演出する
リフォームより先に、まず「写真の撮り直し」と「物件説明文の見直し」を行うだけで問い合わせが増えるケースもあります。
打開策⑦|用途を変えて訴求する
「住居として売る」という前提を変えることで、思わぬ買い手が見つかることがあります。
- 民泊・貸別荘:観光地・自然豊かなエリアなら旅行者向けに活用できます
- シェアハウス:都市部近郊では若者向けのシェアハウス需要があります
- 店舗・事務所:国道沿い・商業地域では商業利用の需要があります
- 農家民宿・体験施設:農村部では地方移住者・体験農業の拠点として活用できます
- 駐車場・資材置き場:建物を取り壊して土地として活用する方法も
再建築不可物件・特殊な物件の場合
再建築不可物件の売却方法
接道義務(幅員4m以上の道路に2m以上接すること)を満たさない「再建築不可物件」は、建て替えができないため一般市場での売却が非常に難しい物件です。
ただし、以下の方法で売却できる可能性があります。
- 隣地所有者への売却:隣接地を持つ方にとっては土地を広げるチャンス。相場より低くても売れることがあります
- 再建築不可物件専門の買取業者:こうした物件を専門に扱う業者が存在します
- 43条但し書き道路の申請:建築審査会の許可を得ることで、建て替えが可能になる場合があります
- 隣地を借りて接道条件を満たす:隣地の一部を借地または購入して接道条件をクリアする方法も
共有名義物件の売却方法
相続で複数の兄弟が共有名義になっている場合、全員の同意がなければ売却できません。一人でも反対すると売却が止まります。
解決策として、以下の方法が考えられます。
- 共有持分の買取:自分の持分だけを専門業者に売却する(価格は低くなります)
- 共有物分割請求:話し合いがまとまらない場合、裁判所に分割を求めることができます
- 持分を他の共有者に売却:共有者全員の合意を得るために、自分の持分を他の共有者に買い取ってもらう
それでも売れない場合の最終手段
空き家バンクへの無償譲渡登録
自治体が運営する「空き家バンク」に、無償譲渡(タダで渡す)条件で登録する方法です。移住希望者・DIY好きの方・地域おこし協力隊などとのマッチングが期待できます。登録は無料で、自治体がサポートしてくれます。
地方物件・古民家など、通常の市場では動かない物件でも成約した事例が多くあります。
相続土地国庫帰属制度の活用
2023年4月にスタートした相続土地国庫帰属制度では、相続で取得した土地を国に引き渡すことができます。建物がない(または解体済みの)更地で、土壌汚染・境界未確定などの問題がない土地が対象です。
申請手数料(1万4,000円)と負担金(10年分の管理費相当、宅地の場合約20万円〜)が必要ですが、「どうしても引き取り手がいない」という場合の有力な選択肢です。
自治体・NPOへの寄附
地域によっては、自治体やNPO・一般社団法人が空き家・空き地を無償で受け取る仕組みを持っています。地域活性化・コミュニティスペースの確保などを目的とした団体が対象です。まず自治体の空き家相談窓口に問い合わせてみましょう。
放置するリスクを改めて確認しよう
「しばらく様子を見よう」と放置し続けることは、リスクを増大させます。具体的には以下のようなコストとリスクが積み上がります。
- 固定資産税・都市計画税:年間数万〜数十万円が毎年発生し続けます
- 管理・修繕費:放置すれば劣化が進み、修繕費がかさむ一方です
- 特定空き家・管理不全空き家への指定リスク:2023年の法改正で自治体の権限が強化。指定されると固定資産税の優遇(住宅用地特例)が外れ、最大6倍になる可能性があります
- 行政代執行のリスク:危険な状態が放置されると、自治体が強制的に解体し、その費用が請求されます
- 近隣への迷惑・損害賠償リスク:老朽化した建物が倒壊・飛散して近隣に損害を与えた場合、所有者が賠償責任を負います
放置することでかかるコストと、今すぐ動くことで発生する費用を比較したとき、早く動くほど総コストが低くなることがほとんどです。
まとめ|まず原因を特定して、一つずつ対策を
古い家が売れない原因は、価格・立地・建物の状態・権利関係・販売活動のいずれかにあることがほとんどです。「売れない」という状況に焦りを感じるより、まずどの原因が当てはまるかを冷静に確認することが大切です。
打開策は状況によって異なりますが、まず複数の不動産会社に査定を依頼し直すこと・自治体の空き家相談窓口に相談すること——この2つは費用ゼロで今すぐできるアクションです。ここから動き出すことで、解決の糸口が必ず見えてきます。
