【コピペOK】求償権放棄を含む示談書の文面|そのまま使える文例とテンプレート集
「示談書に求償権放棄の文言を入れたいけれど、どう書けばいいのか分からない」「ネットで調べても断片的な情報ばかりで、自分のケースに合うのか不安」――そんなお悩みを抱えていませんか。求償権の放棄は、たった一文の有無で示談後のトラブルが大きく変わる、非常に重要な条項です。曖昧な書き方をしてしまうと、せっかく示談したのに後日「やはり払ってほしい」と紛争が蒸し返されるリスクもあります。この記事では、そのままコピペで使える文例から、立場別の判断ポイント、よくある失敗例まで、求償権放棄に関するすべてを解説します。読み終わる頃には、自信を持って示談書を作成できるようになっているはずです。
そもそも「求償権」とは?示談書で放棄する意味
まずは基本のおさらいから始めましょう。求償権という言葉に馴染みのない方も多いと思いますので、ここでしっかり理解しておくことが、後の文例理解にもつながります。
求償権の定義をわかりやすく
求償権とは、本来は他人が負担すべき債務や損害を、自分が肩代わりして支払った場合に、その支払った分を本来の負担者に対して請求できる権利のことです。たとえば連帯保証人が主債務者の代わりに借金を返済した場合、保証人は主債務者に対して「私が払った分を返してください」と請求できます。これが求償権です。
示談で求償権が問題になりやすい3つの典型ケース
実務で求償権の放棄が問題となる場面は、主に次の3つに集約されます。
- 不貞慰謝料のケース:不貞相手が慰謝料を支払った後、自分の負担割合を超えた分について、もう一方の不貞当事者(つまり請求者の配偶者)に求償するパターン
- 共同不法行為のケース:交通事故などで複数の加害者がいる場合、一人が被害者に賠償した後、他の加害者に対して負担分を求償するパターン
- 連帯保証・連帯債務のケース:保証人が債務を弁済した後、主債務者や他の連帯保証人に求償するパターン
なぜ「放棄」を明記する必要があるのか
「示談したのだから、もう請求してこないだろう」と思いたいところですが、実は示談書に明確な記載がないと、求償権は当然には消滅しません。たとえば不貞慰謝料の示談をしても、求償権放棄の文言がなければ、支払った不貞相手があなたの配偶者に対して求償する可能性が残ります。そうなると、結局あなたの家計から負担することになり、せっかくの示談が無意味になってしまうのです。だからこそ、示談書には明確な放棄条項を入れることが極めて重要なのです。
求償権放棄条項の基本文例【コピペ可】
ここからは、実際にそのまま使える文例をご紹介します。ご自身のケースに合わせて、当事者名や状況を書き換えてお使いください。
汎用的なシンプル版
どのケースにも応用できる、最もシンプルな文例です。
「乙は、本件に関し、甲および第三者に対する一切の求償権を放棄する。」
不貞慰謝料での具体的文例
最も相談の多い不貞慰謝料のケースでは、不貞相手が請求者の配偶者に求償しないことを明記することが重要です。
「乙(不貞相手)は、本件不貞行為に関し、甲(請求者)の配偶者である丙に対する求償権を放棄し、今後一切の請求を行わないことを確約する。」
この一文がないと、不貞相手が支払った慰謝料の半額程度を、あなたの配偶者に請求する可能性があります。家庭を守るためにも、必ず入れておきたい条項です。
交通事故・共同不法行為での文例
「乙は、本件交通事故に関し、共同不法行為者である丙その他の第三者に対する求償権を放棄する。」
連帯保証・金銭トラブルでの文例
「乙は、本件債務の弁済に関し、主債務者甲および他の連帯保証人に対する求償権の一切を放棄する。」
求償権放棄条項とセットで入れたい付随条項
求償権放棄の文言だけでは、示談書として不十分です。以下の条項とセットで入れることで、紛争の完全終結を図ることができます。
清算条項(債権債務不存在の確認)
示談書の最重要条項のひとつです。これを入れることで、示談書に書かれていない請求も封じることができます。
「甲と乙は、本示談書に定めるほか、本件に関し、甲乙間に何らの債権債務も存在しないことを相互に確認する。」
口外禁止条項
特に不貞慰謝料の示談では、SNSや知人への口外を防ぐ条項も重要です。
「甲および乙は、本件および本示談の内容について、正当な理由なく第三者に口外しないことを約束する。」
違約金条項を入れるべきか
口外禁止や接触禁止などの約束を破った場合に備えて、違約金条項を入れることも検討しましょう。金額の相場は50万円~100万円程度が一般的ですが、事案によって調整します。
立場別・求償権放棄を判断するときのポイント
求償権の放棄は、立場によって意味合いが大きく変わります。安易にサインする前に、ご自身の立場でのメリット・デメリットをしっかり把握しておきましょう。
「放棄する側」が確認すべきこと
求償権を放棄するということは、本来取り戻せたはずの金額を諦めるということです。たとえば不貞慰謝料300万円を一人で支払った場合、本来なら共同不法行為者である相手側に150万円程度を求償できる可能性があります。これを放棄するわけですから、以下の点を慎重に検討しましょう。
- 放棄する経済的損失は許容範囲内か
- 放棄と引き換えに、慰謝料の減額交渉ができないか
- 口外禁止や接触禁止など、他の条件で見返りを得られないか
「放棄してもらう側」が確認すべきこと
逆に、相手に求償権を放棄してもらう側にとっては、これは「将来の請求リスクを断つ」という大きなメリットです。特に不貞のケースでは、配偶者の生活や家計を守ることに直結します。
| 立場 | 放棄のメリット | 放棄のデメリット |
|---|---|---|
| 放棄する側 | 紛争の早期終結、心理的解放 | 本来取り戻せた金額の喪失 |
| 放棄してもらう側 | 将来の請求リスク回避、家計防衛 | 慰謝料増額要求を受ける可能性 |
よくある失敗例と無効・トラブルになるパターン
せっかく示談書を作っても、書き方の不備でトラブルになるケースは少なくありません。以下の失敗例を知っておくことで、リスクを大幅に減らせます。
文面が曖昧で「何の求償権か」特定できないケース
「一切の権利を放棄する」とだけ書いても、求償権が含まれるかどうかで争いになることがあります。必ず「求償権」という言葉を明示しましょう。
第三者に効力が及ばないと知らずに署名するケース
示談書はあくまで当事者間の合意です。たとえば共同不法行為者が示談に参加していない場合、その第三者の求償権は当然には消えません。第三者を含めた放棄を実現するには、その第三者も示談に参加させるか、別途の手当てが必要です。
署名押印・日付・当事者特定の不備
意外と多いのが基本的なミスです。住所・氏名の正確な記載、実印または認印の押印、日付の記入、これらが揃っていないと示談書としての証拠力が弱まります。
示談書の効力をさらに高める方法
公正証書化のメリット
金銭支払いを伴う示談書は、公正証書にすることをおすすめします。特に「強制執行認諾文言」を入れた公正証書にしておけば、相手が支払いを怠った場合に、裁判を経ずに強制執行ができます。費用は数万円程度ですが、回収の確実性が格段に上がります。
弁護士・専門家にリーガルチェックを依頼する目安
以下のいずれかに当てはまる場合は、自分だけで作成せず、専門家のチェックを受けることを強くおすすめします。
- 慰謝料・賠償金が100万円を超える
- 当事者が3人以上いる複雑な事案
- 相手方が弁護士を立てている
- 相手との関係が険悪で、後日紛争化する可能性が高い
- 不貞慰謝料で、双方の家庭が関わるケース
【テンプレート】そのまま使える示談書サンプル
ここでは不貞慰謝料を例に、求償権放棄条項を含む示談書の全文サンプルをご紹介します。
示談書
甲:〇〇〇〇(住所: )
乙:△△△△(住所: )
丙:□□□□(住所: )甲、乙および丙は、乙と丙との間の不貞行為(以下「本件」という)について、以下のとおり示談する。
第1条(謝罪)
乙は、本件について甲に対し深く謝罪する。第2条(慰謝料)
乙は、甲に対し、本件慰謝料として金〇〇〇万円の支払義務があることを認め、令和〇年〇月〇日までに、甲指定の口座に振り込む方法で支払う。第3条(接触禁止)
乙と丙は、今後一切、直接・間接を問わず接触しないことを約束する。第4条(求償権の放棄)
乙は、本件に関し、甲の配偶者である丙に対する求償権を放棄し、今後一切の請求を行わない。第5条(口外禁止)
甲、乙および丙は、本件および本示談の内容を、正当な理由なく第三者に口外しない。第6条(清算条項)
甲、乙および丙は、本示談書に定めるほか、本件に関し何らの債権債務もないことを相互に確認する。本示談の成立を証するため、本書3通を作成し、各自署名押印の上、各1通を保有する。
令和〇年〇月〇日
甲: ㊞
乙: ㊞
丙: ㊞
よくある質問(FAQ)
Q1. 示談書は手書きでも有効ですか?
はい、手書きでも法的に有効です。ただし、改ざんリスクや読みにくさを考えると、パソコンで作成して印刷する方が望ましいでしょう。
Q2. 一度放棄した求償権は復活させられますか?
原則として、一度放棄した権利を一方的に復活させることはできません。だからこそ、署名前に慎重な検討が必要です。
Q3. 示談書の保管期間はどれくらい必要ですか?
債権の消滅時効(原則10年)を考慮し、最低でも10年は大切に保管しておきましょう。可能であればスキャンしてデータでも保管することをおすすめします。
Q4. 相手が文面に応じない場合はどうすればいいですか?
相手が求償権放棄に難色を示す場合、慰謝料の減額や分割払いなど、他の条件と交換するのが一般的な交渉手法です。難航する場合は、早めに専門家へ相談しましょう。
まとめ:示談書は「一文の差」で結果が変わる
ここまで、求償権放棄を含む示談書の文面について、基本から実践まで詳しく解説してきました。あらためてポイントを整理しましょう。
- 求償権放棄の文言は、明確に「求償権」という言葉を使って特定する
- 清算条項・口外禁止条項などとセットで運用することで効力が高まる
- 立場によって放棄のメリット・デメリットが大きく異なる
- 高額・複雑な事案は公正証書化や専門家のチェックを検討する
- テンプレートはあくまでベース。自分のケースに合わせた調整が必須
示談書は、トラブルを完全に終わらせるための大切な書類です。一文の有無で、その後の人生が大きく変わることもあります。「自分のケースでは、どんな文面が最適なのか」「相手が応じてくれるか不安」「公正証書にすべきか迷っている」――そんなお悩みがあれば、ぜひ一度ご相談ください。
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