空き家の相談はどこにすればいい?相談先と相談内容を完全ガイド

「実家が空き家になってしまったけど、どこに相談すればいいのかわからない…」
「売りたいのか、貸したいのか、それとも解体?そもそも何から手をつければ?」
そんな悩みを抱えたまま、気づけば何年も放置してしまっている方は少なくありません。実は、空き家の相談先は状況や目的によって異なります。「まずどこに行けばいいか」を間違えると、たらい回しになって時間と労力を無駄にしてしまうことも。
この記事では、空き家の相談窓口を目的別・状況別に整理してわかりやすくご紹介します。読み終わったときには「自分はここに相談すればいい」と自信を持って動き出せるようになるはずです。

まず知っておきたい|空き家を放置するとどうなる?

相談窓口の話の前に、一点だけ押さえておいてほしいことがあります。それは、空き家は放置すればするほどリスクが高まるという事実です。

①建物の老朽化・倒壊リスク

人が住まなくなった家は、驚くほど早く傷みます。換気されないことでカビや湿気が進み、屋根や床の腐食、シロアリの被害なども加速します。放置期間が長くなるほど修繕費用は膨らみ、最悪の場合は倒壊の恐れも生じます。

②固定資産税が最大6倍になる可能性

住宅が建っている土地には「住宅用地の特例」が適用され、固定資産税が最大6分の1に軽減されています。しかし、空き家が「特定空き家」や「管理不全空き家」に指定されると、この軽減措置が外れて税負担が一気に跳ね上がる可能性があります。
2023年12月に施行された改正空家法により、特定空き家になる前の「管理不全空き家」も指導・勧告の対象となりました。放置すれば最大50万円以下の過料、さらに行政代執行による強制解体(費用は所有者負担)というケースも現実に起きています。

③防犯・近隣トラブルのリスク

管理されていない空き家は、不法投棄、不法侵入、放火といったトラブルを招きやすくなります。近隣住民とのトラブルや、万が一の場合の損害賠償リスクも無視できません。

「なんとかしなければ」と思いながらも後回しにしてしまうのが空き家問題の難しさです。しかし、早めに相談することが、最も確実にリスクを下げる方法です。さっそく、相談先を確認していきましょう。

相談前に確認!自分の状況を整理しよう

相談窓口は「何に困っているか」によって異なります。まず自分の状況を以下の4つに当てはめてみてください。

状況・目的 向いている相談先
とにかく何から始めればいいかわからない 市区町村の空き家相談窓口・NPO
相続や名義変更で困っている 司法書士・弁護士
売りたい・貸したい・活用したい 不動産会社・空き家バンク
解体を検討している 解体業者・建築士・市区町村(補助金確認)
税金の特例・節税について知りたい 税理士
隣家・相続人間でトラブルがある 弁護士

「まだ何も決まっていない」という方は、まず市区町村の窓口かNPO法人に相談するのが最初の一歩として最適です。順を追って解説していきます。

空き家相談の窓口6選|目的別に徹底解説

① 市区町村の空き家相談窓口(まず最初にここへ)

「何から始めればいいかわからない」という方に最もおすすめなのが、お住まいの市区町村(役所)の空き家相談窓口です。
全国ほぼすべての市区町村が、空き家に関する相談窓口を設置しています。相談は無料で、建物の状態の確認方法から、売却・活用・解体まで、大まかな方向性を一緒に考えてもらえます。また、自治体によっては専門家(司法書士・弁護士・建築士など)の無料相談会への橋渡しもしてくれます。

  • 費用:無料
  • 対象:空き家を所有している方、または相続予定の方
  • 探し方:「〇〇市 空き家 相談」で検索、または役所の住宅課・建築課に問い合わせ

東京都では「東京都空き家ワンストップ相談窓口」を設置し、所有者・活用希望者を問わず無料で相談を受け付けています。神奈川県・埼玉県・北九州市なども同様の総合窓口を整備しており、専門家団体と連携した対応が可能です。

② NPO法人・空き家相談センター(全国対応・電話相談OK)

「役所に行く時間がない」「地方の空き家だが自分は遠方に住んでいる」という方には、NPO法人による電話・オンライン相談が便利です。
たとえば「NPO法人 空家・空地管理センター」は累計相談件数16,200件以上(2025年現在)の実績を持ち、全国の自治体と連携した相談対応を無料で行っています。電話(0120-336-366)やメールで気軽に問い合わせられるため、「まず話を聞いてほしい」という段階でも利用しやすい窓口です。

  • 費用:無料(初回相談)
  • 対象:全国の空き家所有者
  • メリット:遠方の物件でも相談可能、平日9〜17時対応が多い

③ 司法書士(相続・登記の問題はここ)

空き家問題で最も多いのが、相続に絡むケースです。親が亡くなって実家を相続したが名義変更(相続登記)がまだ済んでいない、相続人が複数いて話がまとまらない……こうした場合は司法書士に相談しましょう。

特に注意が必要なのが、2024年4月から相続登記が義務化されたことです。相続を知った日から3年以内に登記を完了しなければ、最高10万円の過料が科せられる場合があります。既に相続している方も対象になりますので、早めの確認をおすすめします。

  • 費用:初回相談は無料の事務所が多い(手続き費用は別途)
  • 相談内容:相続登記、名義変更、成年後見、民事信託、財産管理など
  • 探し方:「〇〇県 司法書士会」で検索→空き家相談窓口を確認

④ 不動産会社・空き家バンク(売る・貸す・活用するなら)

「空き家を売りたい」「賃貸として活用したい」「空き家バンクに登録して地域に貢献したい」という場合は、不動産会社または空き家バンクへの相談が向いています。

不動産会社では、売却・賃貸に向けた査定や市場分析を無料で行ってもらえます。建物が古かったり立地が悪かったりする場合でも、提携する司法書士や建築士と連携してトータルでサポートしてくれる会社を選ぶと安心です。

空き家バンクは、自治体が運営する物件のマッチングサービスです。通常の市場では売れにくい条件の物件でも、地方移住希望者やDIY好きの買い手とつながれる可能性があります。国土交通省が全国の空き家バンク情報をまとめた「全国版空き家・空き地バンク」も参考にしてみてください。

  • 費用:査定・相談は無料(仲介手数料は成約時に発生)
  • ポイント:地域の相場や取引実績が豊富な会社を選ぶ
  • 複数社への相談・比較がおすすめ

⑤ 税理士(節税・特例を使いたいなら)

空き家を売却する場合、「空き家の譲渡所得の3,000万円特別控除(空き家特例)」が適用できるケースがあります。この特例を使えば、売却益から最大3,000万円を控除でき、税負担を大幅に減らせます。ただし適用条件が細かく、手続きにも専門知識が必要です。
また、相続税の申告が必要な場合や、贈与を絡めた対策を検討する場合も、税理士への相談が不可欠です。「節税できると聞いたけど自分に当てはまるか不安」という方は、まず相談だけでも受けてみることをおすすめします。

  • 費用:初回相談は無料の事務所もある(要確認)
  • 相談内容:譲渡所得税の特例・控除、相続税、贈与税など
  • 探し方:「〇〇市 税理士 空き家 相談」で検索

⑥ 弁護士(トラブルが起きているなら)

相続人同士でもめている、隣家への損害賠償が心配、共有名義の解消がうまくいかない——こうした法的なトラブルや権利関係の整理には弁護士が頼りになります。
弁護士費用は一般的に高額なイメージがありますが、法テラス(日本司法支援センター)を活用すれば収入に応じた費用軽減制度も利用できます。また東京都内であれば「東京三弁護士会空き家相談窓口」(電話:03-3595-9100)で無料相談を受け付けています。

  • 費用:初回30分無料の事務所が多い、法テラス活用で費用軽減可
  • 相談内容:相続紛争、共有持分の整理、隣家とのトラブル解決など

相談先を選ぶときの3つのポイント

どの相談先を選ぶにしても、以下の3点を意識すると失敗が少なくなります。

  1. 資格・実績が明示されているか確認する司法書士登録番号、弁護士会所属など、資格が明確に示されているかどうかを確認しましょう。実績や口コミも参考になります。
  2. 最初は複数の窓口に相談する特に売却・解体などの大きな決断は、一社だけで判断するのは禁物です。複数の不動産会社や専門家に相談し、提案内容や費用感を比べてから動きましょう。
  3. 「無料相談」を積極的に活用する市区町村・NPO・司法書士・弁護士のいずれも、初回無料の相談窓口が多数あります。費用を気にしすぎて相談をためらうよりも、まず話を聞いてもらうことが大切です。

今日からできるアクションプラン

空き家の悩みを解決するための、具体的な行動ステップをまとめます。

ステップ やること 相談先
STEP 1 空き家の状態・名義を確認する 法務局(登記情報)・市区町村
STEP 2 相続登記が済んでいるか確認する 司法書士(未了なら早急に手続きを)
STEP 3 空き家をどうしたいか方向性を決める 市区町村窓口・NPO(方向性の相談)
STEP 4 方向性に合った専門家に相談する 不動産会社 / 税理士 / 弁護士 / 建築士

まず最初にやることは、地元の市区町村に電話を一本入れるだけでOKです。担当窓口を教えてもらえれば、あとは順番に話が進んでいきます。

まとめ

空き家の相談先は「何に困っているか」によって変わります。改めて整理すると次のとおりです。

  • 何もわからない、とにかく相談したい → 市区町村の空き家窓口・NPO
  • 相続・名義変更で困っている → 司法書士
  • 売る・貸す・活用したい → 不動産会社・空き家バンク
  • 節税・税金の特例を使いたい → 税理士
  • トラブルが起きている → 弁護士

空き家を放置するリスクは年々高まっています。2023年の改正空家法、2024年の相続登記義務化など、法制度も次々と変わっています。「なんとかしなければ」と感じているなら、それが相談する最良のタイミングです。
まずは無料相談から、一歩踏み出してみてください。あなたの空き家の悩みは、必ず解決の道があります。