内容証明の書き方を完全解説|書式ルール・構成・すぐ使える例文テンプレート付き

はじめに|「内容証明って難しそう」と思っていませんか?

「内容証明を送りたいけど、書き方がわからない」「弁護士に頼まないと書けないと思っていた」「書式のルールが複雑で、何から始めればいいかわからない」——そんな悩みを持つ方は非常に多いです。

内容証明郵便は、契約トラブル・騒音問題・ハラスメント・貸したお金の返還請求・解約通知など、さまざまな場面で活用される法的な通知手段です。しかし実際には、書式ルールさえ守れば誰でも自分で作成・送付できます。弁護士に依頼する必要はありません。

この記事では、内容証明の書き方・書式ルール・構成・注意点・すぐ使えるテンプレート例文・送り方の手順まで、初めての方でも迷わないよう徹底的に解説します。読み終えたら、今日中に内容証明を作成・送付できるようになっていますので、ぜひ最後まで確認してください。

内容証明とは何か?送ることでどんな効果があるか

書き方の前に、内容証明の仕組みと効果を正確に把握しておきましょう。

内容証明郵便の仕組み

内容証明郵便とは、「いつ・誰が・誰に・どのような内容の文書を送ったか」を郵便局が公的に証明してくれるサービスです。同じ内容の文書を3通作成し、郵便局が1通を保管することで、後から「そんな手紙は受け取っていない」「内容が違う」という言い逃れができなくなります。

内容証明を送ることで得られる主な効果

  • 要求・通知の事実を公的に記録できる:「いつ・何を・誰に要求したか」が証明されるため、その後の交渉・法的手続きで有利になります。
  • 相手に本気度を伝えられる:内容証明は手間と費用がかかる手続きです。受け取った相手は「法的措置も辞さない」という意思を感じ取り、誠実に対応するケースが増えます。
  • 時効の完成を一時的に猶予できる:損害賠償・貸金返還などの請求を行う場合、内容証明による催告は時効の完成を6か月間猶予する効果があります(民法150条)。
  • その後の法的手続きの証拠になる:調停・訴訟に発展した際に「事前に通知・警告を行った」という証拠として機能します。

内容証明の書式ルール|守らないと郵便局で受け付けてもらえない

内容証明郵便には、一般の手紙と異なる厳格な書式ルールがあります。書式を守らないと郵便局の窓口で受け付けてもらえないため、必ず以下を確認してから作成してください。

文字数・行数のルール

書き方の形式1行あたりの文字数1枚あたりの行数
横書き26文字以内26行以内
縦書き20文字以内26行以内

文字数・行数を超えると受け付けてもらえません。文書が長くなる場合は複数枚に分けます(枚数が増えると料金も加算されます)。

その他の書式ルール一覧

項目ルール
用紙サイズ特に指定なし(A4・B5が一般的)
作成通数必ず同じ内容のものを3通作成する
使用できる文字ひらがな・カタカナ・漢字・数字・アルファベット
使用できない記号一部の記号は使用不可(※・●などは要確認)
訂正方法修正液・修正テープは使用不可。二重線+訂正印を使う
押印必須ではないが、押印があると信頼性が上がる
送付方法一般書留で送付(ポスト投函は不可、窓口のみ)
💡 ポイント:「e内容証明(電子内容証明)」を利用すると、日本郵便の公式オンラインシステムから24時間インターネットで送付できます。書式チェックが自動で行われるため、初めての方には特におすすめです。

内容証明の構成|必ず含める6つの要素

内容証明に法律で定められた構成はありませんが、効果的な文書にするために以下の6つの要素を必ず含めましょう。

① タイトル

文書の冒頭に、内容を端的に示すタイトルを記載します。目的に応じて以下のようなタイトルを使い分けましょう。

  • 「通知書」——最も一般的。要求・警告・通知全般に使える
  • 「警告書」——より強い警告を伝えたい場合
  • 「催告書」——金銭の支払い・行為の実施を催促する場合
  • 「請求書」——損害賠償などの金銭請求をする場合
  • 「抗議書」——不当な行為に対して抗議する場合
  • 「解除通知書」——契約を解除する場合

② 宛先(受取人の情報)

相手の住所・氏名(法人の場合は会社名・代表者名)を正確に記載します。「殿」または「様」をつけましょう。住所が不明な場合は弁護士に相談することをおすすめします。

③ 本文(事実の説明・要求内容)

内容証明の核心部分です。以下の順番で書くと説得力のある文書になります。

  1. 自分の立場の説明:「私は〇〇に居住する者です」「私は〇〇の当事者です」など
  2. 事実関係の説明:いつ・何が起きたか・どのような被害・問題があるかを具体的に記述する
  3. 要求事項:相手に何をしてほしいかを明確に記述する(「〇〇を停止してください」「〇円を支払ってください」など)
  4. 対応期限:「本書面到達後〇日以内に」と具体的な期限を設定する
  5. 対応しない場合の措置:「法的手続きを取る」「調停を申し立てる」など、次のアクションを明示する

④ 「以上」の記載

本文の末尾に「以上」と記載するのが慣例です。これにより本文がここで終わることを示します。

⑤ 日付

文書の作成日または送付日を記載します。「令和〇年〇月〇日」または「〇〇〇〇年〇月〇日」のどちらでも構いません。

⑥ 差出人の情報

自分の住所・氏名を記載し、押印します(任意ですが推奨)。法人の場合は会社名・代表者名も記載します。

内容証明の書き方|ステップ別解説

書式ルールと構成を理解したら、実際に文書を作成しましょう。以下のステップに従って進めてください。

ステップ1:何を要求するかを明確にする

書き始める前に、「誰に・何を・いつまでに・しなければどうするか」を紙に書き出して整理しておきましょう。これが文書全体の骨格になります。

ステップ2:事実関係を時系列で整理する

「いつ・何が起きたか」を時系列で整理しておきます。日付・場所・具体的な内容を正確に書き出しておくと、本文の説得力が増します。曖昧な表現は避け、具体的な事実のみを記載しましょう。

ステップ3:文書を横書き26文字×26行の書式で作成する

WordやGoogleドキュメントで作成する場合は、1行26文字になるよう余白・フォントサイズを調整しながら書きます。書き終わったら、1行あたりの文字数と1枚あたりの行数をカウントして確認しましょう。

ステップ4:同じ内容のものを3通印刷する

全く同じ内容の文書を3通印刷します(相手用・自分用・郵便局保管用)。3通の内容が一字一句同じでなければならないため、コピーを使うか同じファイルから3部印刷しましょう。

ステップ5:郵便局の窓口で送付する

3通の文書を持参し、郵便局の窓口で「内容証明郵便で送りたい」と伝えます。窓口で書式チェックを受けた後、料金を支払って完了です。「配達証明」も合わせて依頼することを強くおすすめします(相手が受け取ったことの証明が残ります)。

【コピペOK】用途別・内容証明テンプレート例文5選

よく使われる場面別にテンプレートを5つ用意しました。太字部分を自分の情報に書き換えてご使用ください。すべて横書き1行26文字以内の書式ルールに準拠しています。

①【騒音】騒音停止を求める通知書

通 知 書

【相手の住所】
【相手の氏名】殿

 私は【自分の住所】に居住する者です。本書は、貴殿の生活音による騒音被害について通知するものです。

 貴殿が居住する【相手の住所・部屋番号】からは、【騒音の内容】が継続的に発生しており、私の日常生活および睡眠に著しい支障をきたしております。

 本書面到達後【14日】以内に騒音行為を停止されるよう求めます。期限内に改善がなされない場合は、法的手続きを取ることをここに通知します。

 以上

【年 月 日】
【自分の住所】
【自分の氏名】 印

②【金銭請求】貸したお金の返還を求める催告書

催 告 書

【相手の住所】
【相手の氏名】殿

 私は【年月日】に、貴殿に対して金【    】円を貸し付けました。返済期日は【年月日】と約束されておりましたが、現在に至るまで返済がなされておりません。

 本書面到達後【14日】以内に、上記金額を下記口座にお振り込みいただくよう催告します。

 振込先:【金融機関名】
     【支店名】 【口座種別】
     口座番号【      】
     口座名義【      】

 期限内にご対応いただけない場合は、法的手続きを取ることをここに通知します。

 以上

【年 月 日】
【自分の住所】
【自分の氏名】 印

③【ハラスメント】嫌がらせ・ハラスメントの停止を求める警告書

警 告 書

【相手の住所】
【相手の氏名】殿

 私は貴殿から、以下のような行為を継続的に受けております。
・【具体的な行為1:日時・内容】
・【具体的な行為2:日時・内容】

 上記の行為は、私の精神的・社会的生活に重大な支障をきたしており、これ以上容認できません。

 本書面到達後、直ちに上記行為を停止し、今後一切このような行為を行わないことを求めます。
 本書面到達後も行為が継続する場合は、損害賠償請求および刑事告訴を含む法的措置を取ることをここに警告します。

 以上

【年 月 日】
【自分の住所】
【自分の氏名】 印

④【契約解除】契約解除を通知する解除通知書

契約解除通知書

【相手の住所】
【相手の氏名】殿

 私と貴殿の間で【年月日】に締結した【契約の名称:例「売買契約」「業務委託契約」】(以下「本契約」といいます)について、以下の理由により解除する旨を通知します。

 【解除の理由:例「貴殿が約定の納期(【年月日】)までに履行を完了せず、【年月日】に催告を行ったにもかかわらず、相当期間内に履行がなされなかったため」】

 本書面の到達をもって、本契約を解除します(民法541条に基づく)。

 なお、本解除により生じた損害については、別途請求することがあります。

 以上

【年 月 日】
【自分の住所】
【自分の氏名】 印

⑤【損害賠償】損害賠償を請求する請求書

損害賠償請求書

【相手の住所】
【相手の氏名】殿

 貴殿は【年月日】、【具体的な行為・事実の内容】を行いました。この行為により、私には以下の損害が生じております。

・【損害の内容1】 金【    】円
・【損害の内容2】 金【    】円
・慰謝料     金【    】円
    合計   金【    】円

 貴殿の上記行為は民法709条の不法行為に該当します。本書面到達後【14日】以内に、上記合計額を下記口座へお振り込みください。

 振込先:【金融機関名・支店名】
     【口座種別・番号・名義】

 期限内にご対応いただけない場合は、直ちに訴訟を提起します。

 以上

【年 月 日】
【自分の住所】
【自分の氏名】 印

内容証明を書くときの注意点

① 感情的な言葉・脅迫的な表現は使わない

「絶対に許さない」「どうなっても知らない」など、感情的・脅迫的な表現は避けましょう。このような表現は、逆に脅迫罪や名誉毀損として自分が法的責任を問われるリスクがあります。事実と要求を冷静・客観的に記述することが最も効果的です。

② 事実と意見・推測を混在させない

内容証明に記載する事実は、証明できる内容に限定しましょう。「おそらく〇〇だと思う」「〇〇に違いない」といった推測・憶測の記述は、文書の信頼性を下げるだけでなく、根拠のない主張として相手に反論の余地を与えます。

③ 要求事項は具体的・明確に書く

「何とかしてほしい」「改善してほしい」という曖昧な要求は避け、「〇〇を〇日以内に停止する」「〇円を〇日以内に〇口座へ振り込む」と具体的に書きましょう。曖昧な要求は相手に都合よく解釈されてしまいます。

④ 根拠のない金額を記載しない

損害賠償請求の場合、損害額には根拠が必要です。根拠のない高額請求は、その後の交渉・訴訟で不利になることがあります。実際の損害額(売上減少・治療費・修理費など)を積み上げて計算し、根拠を整理した上で記載しましょう。

⑤ 送付前に内容を第三者に確認してもらう

内容証明を送付すると取り消しができません。送付前に、信頼できる第三者(できれば弁護士)に内容を確認してもらうことをおすすめします。特に損害賠償請求・契約解除など法的効果が大きいものは、弁護士への事前相談が有効です。

内容証明の送り方と費用

窓口での送付手順

  1. 同じ内容の文書を3通用意する(相手用・自分用・郵便局保管用)
  2. 最寄りの郵便局の窓口へ持参する(ポスト投函は不可)
  3. 「内容証明郵便で送りたい」と伝える
  4. 窓口で書式チェック(文字数・行数の確認)を受ける
  5. 「配達証明」も合わせて依頼する(強く推奨)
  6. 料金を支払って送付完了。自分用の控えを受け取る

費用の目安

料金の種類目安金額
基本郵便料金(定形外)120円〜
一般書留料金435円
内容証明料金(1枚目)440円
内容証明料金(2枚目以降)1枚ごとに260円追加
配達証明(推奨)320円
合計目安(1枚・配達証明あり)約1,300円〜

e内容証明(電子内容証明)を使う方法

日本郵便の公式サービス「e内容証明」を利用すると、パソコンからインターネット経由で24時間内容証明を送付できます。書式チェックが自動で行われるため、初めての方でも安心です。専用のWordテンプレートをダウンロードして文書を作成し、アップロードするだけで手続きが完了します。

よくある質問(FAQ)

Q. 内容証明は弁護士に頼まないと書けませんか?

A. 内容証明は自分で書いて郵便局から送ることができます。弁護士への依頼は必須ではありません。ただし、損害賠償額の設定・法律上の主張の正確さが求められる場合や、訴訟を見据えている場合は、弁護士に相談することをおすすめします。弁護士名義で送ると相手への心理的プレッシャーも大きくなります。

Q. 相手の住所がわからない場合はどうすればいいですか?

A. 個人の場合は住民票の取得(第三者請求には正当な理由が必要)、法人の場合は法人登記情報の確認で住所を調べられます。住所の特定が難しい場合は弁護士に相談しましょう。

Q. 相手が内容証明を受け取り拒否した場合はどうなりますか?

A. 受け取り拒否や不在で受け取れない場合でも、郵便局に一定期間保管されます。この場合でも「通知を試みた記録」が残るため、法的には通知が行われたとみなされることが多いです。受け取り拒否の場合は弁護士に相談することをおすすめします。

Q. 内容証明を送った後、相手が無視した場合はどうすればいいですか?

A. 期限内に相手が対応しない場合は、記載した通りの法的手続き(調停・訴訟・支払督促など)に進むことができます。内容証明を送った事実は、その後の手続きで「事前に通知・要求を行った」という証拠になります。

Q. 内容証明は何通でも送ってもいいですか?

A. 何通送っても法律上の制限はありませんが、同じ内容を繰り返し送っても効果は変わりません。1回目を送って相手が無視した場合は、内容証明の再送よりも次の法的手続き(調停・訴訟)に進む方が効果的です。

まとめ|書式ルールを守れば、内容証明は誰でも書ける

内容証明の書き方を振り返ります。

  • 内容証明は「郵便局が内容・送付事実を証明する公的な通知手段」であり、弁護士に依頼しなくても自分で作成・送付できる
  • 書式ルールは横書きなら1行26文字以内・1枚26行以内・3通作成が基本。これを守らないと受け付けてもらえない
  • 文書にはタイトル・宛先・事実の説明・要求事項・期限・対応しない場合の措置・日付・差出人を必ず含める
  • 感情的な表現・根拠のない推測・曖昧な要求は避けること
  • 送付時は「配達証明」も合わせて依頼することで、相手が受け取ったことの証明が残る
  • 初めての方にはe内容証明(電子内容証明)がおすすめ。書式チェックが自動で行われる

内容証明は、トラブルを解決するための強力なツールです。「難しそう」と感じていた方も、この記事の書式ルールとテンプレートを使えば、今日中に作成・送付できます。まずは自分の状況に合ったテンプレートを選び、要求事項を整理するところから始めてみましょう。それでも不安な場合は、弁護士や法テラス(0570-078374)への相談も積極的に活用してください。