【2026年最新】大分県竹田市の人口は?過疎化が進むまちに旅行者が魅せられる理由
JR豊後竹田駅のホームに降り立つと、どこからともなく「荒城の月」のメロディーが流れてきます。静かな山あいの城下町、人口約1万9千人の小さなまち・竹田市。大分県南西部に位置するこのまちは、派手な知名度こそないものの、「一度来たら忘れられない」と繰り返し訪れるリピーターが後を絶ちません。
一方で、竹田市は日本有数の人口減少に直面しているまちでもあります。過疎化・高齢化が進むこの地に、なぜ毎年移住者が集まり続けるのか。そして旅行者として訪れるとき、その「人口問題」はどのように旅の風景と重なってくるのか。
この記事では、竹田市の人口の現状とデータをわかりやすくお伝えしながら、その裏側にある地域の魅力・取り組み・観光スポットを旅人目線でご紹介します。竹田市への旅を計画している方、「なんとなく気になっている」という方にも、ぜひ最後まで読んでいただければと思います。
📋 この記事の目次
- 大分県竹田市とはどんなまち?
- 竹田市の人口の現状とデータ
- それでも人が集まる「竹田マジック」の正体
- 旅人が感じる「人口減少の風景」という魅力
- 旅行者が外せない竹田市の観光スポット5選
- 竹田市への行き方・アクセス情報
- まとめ:小さいまちだからこそ感じられる豊かさ
大分県竹田市とはどんなまち?
竹田市は、大分県南西部の山間部に位置する城下町です。九州のほぼ中央に位置し、阿蘇くじゅう国立公園の一角を占める自然豊かなエリアです。標高325mの高台に広がる城下町は、江戸時代から続く歴史的な街並みが現代まで残っており、細い路地を歩くと時間がゆっくり流れているような感覚を覚えます。
このまちを語るうえで欠かせないのが、作曲家・瀧廉太郎と「荒城の月」の存在です。瀧廉太郎が幼少期を過ごしたこの地にある岡城(岡城跡)が、あの名曲の着想の地とされています。JR豊後竹田駅周辺には瀧廉太郎ゆかりのスポットが点在し、まちを歩くと音楽が流れるトンネルにも出会えます。
自然環境も一級品です。久住山系から湧き出る清らかな水は環境省の「名水百選」にも選ばれており、竹田市内には長湯温泉をはじめとした多彩な温泉も点在しています。長湯温泉は世界的にも珍しい天然炭酸泉として知られ、温泉好きにとっては一生に一度は訪れたい場所のひとつです。
📍 竹田市の基本情報
| 所在地 | 大分県竹田市(大分県南西部) |
| 特徴 | 阿蘇くじゅう国立公園・城下町・温泉地 |
| 主な観光資源 | 岡城跡・長湯温泉・くじゅう高原・名水百選 |
| アクセス | JR豊後竹田駅 / 大分道大分ICより約1時間 |
竹田市の人口の現状とデータ
竹田市の人口について、まず現在の状況をデータで確認してみましょう。数字が示す現実は、決して楽観できるものではありません。しかし、その数字の奥にある「まちの体温」こそが、竹田市の本当の魅力につながっています。
現在の人口・高齢化率
2024年1月1日時点の竹田市の総人口は約19,380人(男性9,125人・女性10,255人)です。かつては3万人を超えていた人口が、今では2万人を割り込んでいます。さらに注目すべきは高齢化率で、65歳以上の人口が全体の約49.1%を占めており、市民のほぼ2人に1人が高齢者という状況です。
出生数の減少も深刻です。2023年の出生数は55人で、前年から約16.7%(11人)減少し、3年連続の減少となっています。10年前の2013年には123人だった出生数が、約10年で半分以下にまで落ち込んでいます。これは全国平均の出生率と比較しても、人口千人あたりで約3人少ない水準です。
📊 竹田市 人口データまとめ(2024年時点)
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 総人口 | 約19,380人 |
| 男性人口 | 9,125人 |
| 女性人口 | 10,255人 |
| 65歳以上の割合(高齢化率) | 約49.1% |
| 2023年の出生数 | 55人(前年比▲16.7%) |
| 10年前比較(出生数) | 約▲55.3%(2013年は123人) |
なぜ人口が減り続けるのか?
竹田市の人口減少は、日本の地方が抱える課題の縮図です。山間部という地理的条件から、若者が進学・就職を機に大分市や福岡市など都市部へ流出しやすい環境があります。また、産業の中心が農業・林業といった一次産業であるため、若い世代が働き口を求めて離れてしまうという構造的な問題もあります。
ただし、竹田市はこの現実を「仕方がない」と受け入れるのではなく、早い段階から危機感を持って独自の対策に取り組んできたまちでもあります。次の章では、その「竹田マジック」と呼ぶべき取り組みをご紹介します。
それでも人が集まる「竹田マジック」の正体
人口が減り続けているにもかかわらず、竹田市には「外から人が来る」という不思議な引力があります。人口2万人ほどのまちに、5年間で200人以上が移住。さらに、地域おこし協力隊の隊員数は40人超と全国トップクラスの規模を誇っています。いったい、なぜでしょうか?
「人」が動かす移住促進
竹田市の移住促進を語るうえで欠かせないのが、市役所の担当者・後藤雅人さんの存在です。後藤さんは空き家バンクの整備にとどまらず、移住希望者に会いに行き、自宅に泊めてしまうほどの熱量で関わり続けたといいます。「この人に竹田に来てほしい」と思ったら、ためらわず個人的に動く。そのスタイルが口コミで広がり、2013〜2015年の2年間だけで100人が移住し、定住率は驚異の94%を達成しました。
制度や補助金だけではなく、「人の顔が見える移住支援」こそが竹田市の最大の差別化ポイントです。移住してきた人が「竹田に来てよかった」と感じ、その口コミがまた次の移住者を呼ぶ。この好循環が、数字の裏にある竹田市の底力です。
アーティストが集まるまち
竹田市には、画家・陶芸家・染色家・彫刻家など多彩なアーティストが移住し、このまちを拠点に新たな芸術文化を育んでいます。古くから芸術家を輩出してきた歴史があることも関係しているでしょうか、外からやってくるクリエイターを受け入れる土壌が自然と育まれています。
旅行者として竹田市を訪れると、城下町エリアの路地にギャラリーやクラフトショップがひっそりと佇んでいる光景に出会えます。お土産屋さんではなく、そこに住む作り手が営む本物の工房。それが「竹田でしか出会えないもの」として旅の記憶に刻まれます。
全国初「農村回帰宣言」のまち
竹田市は、都市から地方への回帰を推進する「農村回帰宣言」を全国で初めて行ったまちでもあります。「ふるさと回帰支援センター」との協力協定締結、空き家の調査・提供、移住・定住サポーターの活動など、仕組みとして「来やすい環境」を整えてきた歴史があります。今では「テレワーク移住」や「関係人口」としての関わり方にも対応しており、旅行者が「ゆるやかにつながれる」選択肢も増えています。
旅人が感じる「人口減少の風景」という魅力
少し意外に聞こえるかもしれませんが、「人口が少ない」ことは旅行者にとってむしろ価値になることがあります。竹田市を旅すると、その感覚がじわじわと伝わってきます。
- 観光客が少ないから、静かで美しい城下町をゆっくり歩ける——江戸時代の面影が残る路地を、人混みなしに独り占めできる贅沢
- 地元の人と自然に会話が生まれる——人が少ない分、旅人への関心が温かい。「どこから来たの?」という問いかけが旅の宝になる
- 移住者が作った店に出会える——大阪や東京から来た移住者が始めたカフェや工房が点在し、旅の偶然の出会いを演出してくれる
- 「ここにしかない時間」がある——過疎化が進むほど、開発されずに残った風景・文化・食が濃くなっていく逆説
竹田市を旅していると、「このまちを応援したい」という気持ちが自然と芽生えてきます。ふるさと納税という形で関わる人、年に一度必ず訪れるリピーターになる人——旅行者が「関係人口」へと育っていく。それが竹田市の人口問題への、旅人なりの答えかもしれません。
旅行者が外せない竹田市の観光スポット5選
それでは、実際に竹田市を旅するときに外せないスポットをご紹介します。どれも「竹田でしか体験できない」ものばかりです。
① 岡城跡——「荒城の月」が生まれた難攻不落の山城
竹田市を代表する観光スポットといえば、まず「岡城跡」です。鎌倉時代初期に築かれたとされるこの城は、断崖絶壁に守られた難攻不落の山城として知られ、「800年にも及ぶ歴史」を今に伝えています。本丸跡からは、くじゅう連山・阿蘇山・祖母山が一望でき、その雄大な眺望は訪れた人の心を揺さぶります。瀧廉太郎が幼少期にここで感じた「荒城」の美しさと哀愁——それが「荒城の月」というメロディーに結晶したのだと実感できる場所です。
② 長湯温泉——世界が認める天然炭酸泉
長湯温泉は、世界的にも珍しい天然の重炭酸泉が湧く温泉地です。「ガニ湯」と呼ばれる芹川のほとりにある露天風呂は、竹田市の象徴的な風景のひとつ。炭酸泉特有のシュワシュワとした感触は、入浴後に体がポカポカと温まる「炭酸ガス効果」として医学的にも注目されています。温泉好きなら絶対に外せないスポットです。クアパーク長湯などの近代的な施設もあり、長めの滞在も楽しめます。
③ 城下町・武家屋敷通り——タイムスリップする路地歩き
JR豊後竹田駅を中心に広がる城下町エリアは、江戸時代から続く武家屋敷通りや細い石畳の路地が今も残っています。ただ歩くだけで、時代劇のセットの中にいるような感覚。移住してきたアーティストのギャラリーや、地元食材を使ったカフェが路地の奥に隠れていることも多く、「偶然の発見」を楽しみながら歩けるエリアです。観光ガイドと一緒に巡るツアーもあり、まちの歴史をより深く知ることができます。
④ くじゅう高原・坊ガツル——九州の屋根に広がる絶景
阿蘇くじゅう国立公園に広がるくじゅう高原は、竹田市が誇る大自然のハイライトです。標高1,000mを超える高原では、四季折々に異なる表情が楽しめます。春はミヤマキリシマ、夏は青空と緑、秋は草紅葉、冬は霧氷——写真好きにはたまらない被写体が年間を通じて待っています。坊ガツル湿原はラムサール条約登録地で、木道を歩きながら貴重な湿原植物を観察できます。「移住者がここに来て住みたいと思った」理由が、歩けばすぐわかります。
⑤ 名水スポット・黄牛の滝——名水百選の清流が生む絶景
環境省の「名水百選」に選ばれた竹田市の清流は、市内各所で美しい景観を作り出しています。なかでも落差約25mの「黄牛の滝(あめうしのたき)」は、久住山系の清流が生み出す名瀑として人気です。滝壺周辺は整備されており、マイナスイオンをたっぷり浴びながら散策できます。名水を使ったわさびや豆腐などの地場産品も、竹田市ならではのお土産として旅の帰りに連れて帰りたいアイテムです。
竹田市を旅するなら何泊がおすすめ?モデルプラン
竹田市は「日帰りで岡城を見て終わり」にするには惜しいまちです。できれば1泊2日、余裕があれば2泊3日での滞在をおすすめします。温泉でゆっくり過ごし、翌朝に城下町を散歩する時間の流れを味わってこそ、竹田の「体温」が伝わってきます。
【1泊2日】竹田の定番をぎゅっと凝縮プラン
- 1日目 午前:岡城跡を散策(約2時間)→ 瀧廉太郎記念館・武家屋敷通りを歩く
- 1日目 午後:城下町でランチ → 移住アーティストのギャラリー・カフェ巡り
- 1日目 夕方〜夜:長湯温泉に移動してチェックイン → 炭酸泉でゆっくり浸かる
- 2日目 午前:くじゅう高原・坊ガツル方面へドライブ → 名水スポット立ち寄り
- 2日目 午後:地場産品・名水グルメをお土産に帰路へ
竹田市を訪れるベストシーズン
竹田市は四季を通じて魅力が変わるまちです。それぞれのシーズンの見どころをまとめました。
| 季節 | おすすめの見どころ |
|---|---|
| 🌸 春(3〜5月) | 岡城跡の桜・くじゅう高原のミヤマキリシマ(5月下旬〜6月) |
| ☀️ 夏(6〜8月) | 坊ガツルのキャンプ・黄牛の滝の清流・高原の涼しい気候 |
| 🍂 秋(9〜11月) | 岡城跡の紅葉(11月)・くじゅう高原の草紅葉・収穫グルメ |
| ❄️ 冬(12〜2月) | くじゅう高原の霧氷・長湯温泉で体を温める湯治旅 |
特に人気が高いのは、岡城跡の桜が咲く春と、紅葉が城壁を彩る秋です。人が少ないまちだからこそ、どの季節に訪れても「混んでいて風景が台無し」ということがないのも竹田市の魅力のひとつです。
竹田市への行き方・アクセス情報
竹田市は山間部に位置するため、アクセスは電車よりも車が便利です。ただし、JR豊肥本線を使った鉄道旅も風情があり、阿蘇や熊本方面からの旅と組み合わせることで、九州横断の旅が楽しめます。
| 出発地 | 手段 | 所要時間の目安 |
|---|---|---|
| 大分市 | 車(大分道経由) | 約1時間 |
| 大分市 | JR豊肥本線 | 約1時間30分 |
| 熊本市 | JR豊肥本線(阿蘇経由) | 約2時間〜 |
| 福岡市 | 車(高速利用) | 約2時間30分 |
竹田市内は観光スポットが広範囲に点在しているため、レンタカーの利用がおすすめです。JR豊後竹田駅周辺の城下町エリアは徒歩でも楽しめますが、長湯温泉やくじゅう高原へは車が必要です。旅の計画は余裕をもって立てておくとよいでしょう。
まとめ:小さいまちだからこそ感じられる豊かさ
大分県竹田市の人口は、データが示す通り減少を続けています。65歳以上が約5割を占め、出生数は10年で半減という現実は、日本の地方が直面する課題の最前線です。
それでも竹田市には、人が集まってきます。「人の顔が見える」移住支援、アーティストたちが育む芸術文化、世界に誇る炭酸泉と名水、難攻不落の山城が見下ろす雄大な風景——どれをとっても「ここにしかない」ものばかりです。
旅行者として竹田市を訪れることは、そのまちの「体温」を感じることです。人が少ないからこそ静かで、静かだからこそ美しく、美しいからこそ「また来たい」と思う。そして気づけば「ここに住んでみたいかも」と思っている自分に出会うかもしれません。
竹田市は、ただ消費するだけでない「関わる旅」の舞台として、これ以上ない場所です。ぜひ一度、「荒城の月」が流れる城下町へ、足を運んでみてください。
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