少額訴訟のやり方を完全解説|費用・必要書類・判決後の回収まで【60万円以下の金銭請求】

「貸したお金が返ってこない」「未払いの売掛金がある」「敷金が戻ってこない」――。こうした少額の金銭トラブル、弁護士に頼むほどでもないし、かといって泣き寝入りもしたくない…とお悩みではありませんか?

こんにちは、リーリエ行政書士事務所です。今回は、そんなときに頼りになる「少額訴訟」という制度について、費用・流れ・注意点まで、行政書士の視点からわかりやすく解説します。読み終わるころには、ご自身のケースで使えるかどうか判断できるはずです。

少額訴訟とは?60万円以下の金銭トラブルを1日で解決する制度

少額訴訟とは、60万円以下の金銭の支払いを求める紛争を、簡易裁判所で迅速に解決するための特別な訴訟手続きです。通常訴訟と比べて、次の3つが大きな特徴です。

  • 請求できるのは60万円以下の金銭に限られる
  • 原則として1回の期日で審理を終え、即日判決が出る
  • 簡易裁判所で行われ、市民でも利用しやすい設計になっている

こんなトラブルに使われています

  • 知人や家族に貸したお金が返ってこない
  • 売買代金や請負代金の未払い
  • 賃貸物件の敷金が返還されない
  • 未払い賃金や残業代の請求
  • 交通事故による物損賠償(少額のもの)
  • マンション管理費や家賃の滞納回収

少額訴訟が使えないケース

  • 請求金額が60万円を超える場合
  • 金銭以外の請求(建物明渡し、物の引渡し、登記請求など)
  • 同じ簡易裁判所で年10回を超えて利用する場合

少額訴訟5つの特徴(通常訴訟との違い)

通常訴訟との違いを表で整理しました。

項目 少額訴訟 通常訴訟
請求できる金額 60万円以下の金銭のみ 制限なし
審理回数 原則1回で結審 複数回が一般的
判決のタイミング 原則即日 後日
不服申立て 異議申立てのみ(控訴不可) 控訴・上告が可能
利用回数の制限 同一裁判所で年10回まで 制限なし

①請求は60万円以下の金銭に限られる

あくまで「お金を払ってほしい」という請求に限られます。物の引渡しや建物明渡しは対象外です。

②原則1回の期日で結審・即日判決

最初の期日までに、主張と証拠をすべて出し切る必要があります。後出しはできないと考えてください。

③控訴できない

判決に不服があっても、同じ簡易裁判所への「異議申立て」しかできず、地方裁判所への控訴はできません。

④被告が拒否すれば通常訴訟に移行する

被告が通常訴訟を希望すれば、最初の期日までの申出で通常訴訟へ移行します。「相手次第」の側面がある点は押さえておきましょう。

⑤分割払い・支払猶予の判決が出ることがある

裁判官が被告の資力を考慮し、分割払いや支払猶予を命じる判決を出すことができます。柔軟な解決が可能な制度です。

少額訴訟にかかる費用はいくら?

「裁判」と聞くと身構えてしまいますが、少額訴訟の費用は驚くほど安く済みます。

申立て手数料(収入印紙)

請求金額 印紙代
10万円 1,000円
30万円 3,000円
60万円 6,000円

請求額10万円ごとに1,000円が目安です。

郵便切手(予納郵券)

裁判所からの書類送付に使う切手で、おおむね5,000〜6,000円程度。金額や組合せは裁判所ごとに異なるため、申立て前に確認しましょう。

その他の実費

証拠書類のコピー代、裁判所への交通費など。専門家に書類作成を依頼する場合は別途報酬がかかりますが、ご自身で進めれば1万円前後で完結することも可能です。

少額訴訟の流れ【7ステップで解説】

ステップ1 訴える裁判所を決める

原則として、被告(相手)の住所地を管轄する簡易裁判所です。契約書に管轄の定めがある場合や、義務履行地が定まっている場合は、そちらでも訴えを起こせます。

ステップ2 訴状を作成・提出する

裁判所には定型用紙(訴状ひな型)が備え付けられており、初めての方でも記入しやすい設計です。証拠書類のコピーを添えて、「少額訴訟による審理を希望する」旨を必ず明記してください。

ステップ3 期日の通知が届く

提出から1〜2か月後に最初の期日が指定され、原告・被告双方に通知されます。

ステップ4 被告が答弁書を提出

被告は答弁書を提出し、裁判所経由で原告にコピーが送られてきます。被告が通常訴訟を希望した場合は、ここで移行します。

ステップ5 口頭弁論・証拠調べ

当日は、訴状や証拠を持参し、裁判官の前で主張を述べます。証人尋問は、その日に出頭できる人に限られる点に注意です。

ステップ6 和解または判決

裁判の途中で和解が成立することも多くあります。話し合いがまとまらない場合は、その日のうちに判決が言い渡されます。

ステップ7 判決後の対応(ここが最重要)

勝訴判決を得ても、相手が任意に支払わなければお金は入ってきません。その場合、強制執行(預貯金・給与・動産の差押え)の手続きに進む必要があります。「勝つこと」と「回収できること」は別問題と心得ましょう。

少額訴訟のメリット・デメリット

メリット

  • 申立てから判決まで2か月前後と短期決着
  • 専門知識がなくても手続きしやすい
  • 費用が数千円〜1万円程度で済む
  • 分割払いなど柔軟な判決が出ることがある
  • 平日1日休めば手続きが完結する

デメリット・注意点

  • 1回で結審するため事前準備の負担が大きい
  • 被告が拒否すれば通常訴訟に移行し長期化する
  • 控訴ができない
  • 同一裁判所で年10回までという回数制限
  • 勝訴=回収成功ではない(強制執行が別途必要)
  • 相手の財産情報を把握していないと回収困難

少額訴訟を成功させる3つのポイント【行政書士の現場感覚から】

①証拠の事前準備がすべて

1回の期日で勝負が決まる少額訴訟では、証拠の質と整理が結果を左右します。借用書、契約書、メール・LINEのやり取り、振込明細、領収書――時系列で整理し、何をどう主張するかを組み立てましょう。私たち行政書士の業務として、内容証明郵便の作成や、提出書類の整理サポートを行っています。

②相手の住所と財産を把握する

訴状を送るには相手の住所が必要です。さらに、勝訴後の強制執行を見据えるなら、勤務先や預貯金口座の情報も重要になります。「相手の連絡が取れなくなった」段階で動き出すと回収が難しくなるため、早めの対応が肝心です。

③訴訟前に内容証明で解決できるケースも多い

実は、少額訴訟まで進まなくても、行政書士が作成する内容証明郵便を送るだけで支払われるケースは少なくありません。「法的手続きを検討している」という意思を文書で示すだけで、相手の態度が変わることはよくあります。訴訟は時間も労力もかかるため、まずは内容証明での解決を試みるのが現実的な選択肢です。

よくある質問(FAQ)

Q. 弁護士に依頼せず自分一人でできますか?

A. はい、可能です。裁判所の定型用紙や窓口での案内もあり、ご自身で進める方も多くいらっしゃいます。

Q. 相手の住所がわからない場合は?

A. 訴状を送達できないため、まず住所の特定が必要です。行政書士が職務上請求で住民票を取得できるケースもあります。

Q. 判決後に相手が払わない場合は?

A. 強制執行の申立てが必要です。預貯金、給与、動産などを差し押さえる手続きに進みます。

Q. 60万円を1円でも超えたら使えませんか?

A. はい、元本ベースで60万円以下である必要があります。一部だけ請求する「一部請求」という方法もありますが、判断は慎重に行いましょう。

まとめ:まずは証拠の整理と専門家相談から

少額訴訟は、60万円以下の金銭トラブルを早く・安く・自分で解決できる頼もしい制度です。一方で、「1回で勝負が決まる」「勝訴と回収は別問題」というポイントを押さえておかないと、せっかくの判決が紙切れになってしまうこともあります。

リーリエ行政書士事務所では、内容証明郵便の作成、訴状作成のサポート、債権回収に向けた書類整理のご相談まで幅広く対応しています。「いきなり訴訟は不安」「まずは相手にプレッシャーをかけたい」という段階からでも構いません。LINEやお問い合わせフォームからお気軽にご連絡ください。

あなたのお悩みに寄り添い、最適な解決方法を一緒に考えます。泣き寝入りせず、まずは第一歩を踏み出しましょう。

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