発信者情報開示の費用と期間|カスハラ投稿の投稿者を特定する方法

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この記事では、投稿者を特定するための手続を解説します。投稿そのものを削除する方法は、別記事で扱っています。

この記事でわかること

事実に反する投稿を書かれた。従業員が名指しされた。削除申請をしたが通らなかった。この段階で検討することになるのが、投稿者を特定する手続です。

ただし、この手続には費用と時間がかかります。そして、必ず特定できるとは限りません。着手する前に、何のために特定するのかを整理しておく必要があります。

特定して何をするのか(目的から考える)

特定は手段であって目的ではありません。その先に何をするかで、着手すべきかどうかが決まります。

一、損害賠償を請求する

投稿によって生じた損害の賠償を求めるルートです。ただし、率直に申し上げると、特定にかかる費用が賠償額を上回ることが少なくありません。金銭的な回収だけを目的とすると、期待外れになります。

二、刑事責任を問う

名誉毀損や信用毀損として刑事手続を検討するルートです。この場合、告訴の期間に制限があるため、時間の経過が明確に不利に働きます。

三、再発を止める

実務上、最も多い動機です。「誰が書いたか分かっている」という状態自体が、強い抑止力を持ちます。匿名であることが投稿の前提になっている以上、匿名性が失われれば、多くの場合そこで止まります。

四、特定しないほうがよい場合

  • 投稿が一件のみで、影響が限定的である
  • すでに取引関係が終わっており、再発の可能性が低い
  • 削除が実現しており、それ以上の対応を必要としない
  • 従業員本人が、これ以上の関与を望んでいない

この四つに該当する場合、特定に進むことが最善とは限りません。費用と時間、そして関係者の負担を考えたうえで判断してください。

開示が認められるための要件

権利侵害が明らかであること

開示が認められるには、その投稿によって権利が侵害されたことが明らかである必要があります。「不快である」「事実と違う気がする」という程度では足りません。

実務上、この「明らかである」という水準が最初の関門になります。投稿の文面だけを見て、権利侵害が判断できる状態かどうかが問われます。

事実の摘示か、意見・論評か

ここが最も重要な分かれ目です。

投稿の性質 開示の見込み 理由
具体的な事実を述べている 比較的高い 真実でないことを示せる
感想・評価にとどまる 低い 意見の表明として扱われやすい
事実を前提とした評価 場合による 前提事実の真偽が問われる
個人を特定した記載を含む 高い プライバシーの問題も生じる

投稿文の判定例

  • 「対応が最悪だった」── 感想。開示は難しい。
  • 「交換にも返金にも一切応じてもらえなかった」── 事実の摘示。記録で反証できれば見込みあり。
  • 「店員の○○という女性が客を無視した」── 個人を特定した事実の摘示。見込みは高い。

会社に対する場合と、従業員個人に対する場合

会社の社会的評価や信用を低下させる内容であれば、会社が請求の主体になります。従業員個人を対象とする内容であれば、その従業員本人が主体です。

一つの投稿に両方が含まれていることもあります。その場合、会社と本人がそれぞれ手続を進めることも、いずれか一方に絞ることも可能です。費用の面では、まとめて進めるほうが効率的です。

手続の全体像

なぜ二段階になるのか

投稿がなされたサービスの運営会社は、通常、投稿者の氏名や住所を保有していません。保有しているのは、接続元を示す情報です。

したがって、まずサービスの運営会社から接続元の情報を得て、次にその情報をもとに通信を提供している事業者から契約者の情報を得る、という二段階の構造になります。

段階 相手方 得られる情報
第一段階 投稿先のサービス運営会社 接続元を示す情報、投稿の日時など
第二段階 通信を提供する事業者 契約者の氏名・住所など

裁判所を通じた手続

いずれの段階も、任意の請求で開示されることは多くありません。実務上は、裁判所を通じた手続によることになります。

この分野では、二段階の手続を一体的に進められる仕組みが設けられており、従来より効率的に進められるようになっています。なお、根拠となる法律は改称を経ていますので、古い解説記事では旧名称で説明されている場合があります。

海外の事業者が相手になる場合

主要なサービスの多くは海外の法人が運営しています。この場合、手続に必要な資料や翻訳の準備が加わり、期間も長くなる傾向があります。着手前に見込みを確認してください。

費用と期間の目安

項目 目安
第一段階の手続 数十万円程度
第二段階の手続 数十万円程度
実費(登記、翻訳、通信費等) 数万円〜
特定完了までの期間 半年〜1年程度
その後の請求手続 別途

一方、賠償として認められる金額は、投稿の内容や影響の程度によりますが、費用を大きく上回るとは限りません。この点を最初に共有しておかないと、手続の途中で「何のためにやっているのか」という話になります。

それでも進める判断がなされるのは、金銭ではなく抑止を目的とする場合です。「二度とやらせない」という経営判断として位置づけるのであれば、費用対効果の議論とは別の意味を持ちます。

急がなければならない理由

通信の記録は残り続けない

接続に関する記録は、事業者において一定期間で消去されます。この記録が失われると、第二段階の手続が事実上できなくなります。

投稿から時間が経つほど、特定できる可能性は下がります。「しばらく様子を見よう」という判断が、実際には「特定を諦める」判断になっていることがあります。

削除と特定のジレンマ

ここは注意が必要な点です。投稿を先に削除してしまうと、その内容を示す資料が失われ、権利侵害を主張する前提が崩れることがあります。

対応としては、保全を先に完了させることです。URL、投稿日時、アカウント名、画面全体の保存。これらを済ませてから削除申請に進めば、両立できます。順序の問題です。

発見したらまずやること

  1. 投稿のURL、投稿日時、アカウント名を控える
  2. 画面全体をスクリーンショットで保存する(切り抜かない)
  3. 投稿の全文をテキストでも保存する
  4. 社内の誰が、いつ発見したかを記録する
  5. そのうえで、削除申請と特定のどちらを先行させるか判断する

特定できた後にできること

任意での交渉

特定した後、まずは書面で削除と再発防止を求めるという進め方があります。相手にとっては、匿名性が失われた時点で状況が大きく変わりますので、この段階で解決することも少なくありません。

なお、相手方との交渉や示談の代理は弁護士の業務です。当事務所でお引き受けできるのは、請求の意思を伝える書面の作成までとなります。

刑事手続

名誉毀損や信用毀損として告訴を検討する場合、告訴の期間に制限があることに注意してください。特定に時間がかかった結果、期間の問題が生じることがあります。

既存の顧客・入居者であった場合

特定の結果、既存の取引先や入居者であることが判明するケースがあります。この場合、投稿への対応とは別に、関係そのものをどうするかという判断が必要になります。

社内での取り扱い

特定できた情報を、社内でどこまで共有するかは慎重に決めてください。当該人物の氏名を広く周知すると、別の問題が生じます。対応に必要な範囲に限定してください。

対象が従業員個人の場合の会社の役割

請求の主体は本人

従業員個人を対象とする投稿については、原則としてその従業員本人が請求の主体になります。会社が代わって手続を進めることはできません。

会社ができる支援

  • 費用の負担(社内での位置づけを整理したうえで)
  • 専門家の紹介と、初期の窓口対応
  • 手続に要する時間を就業時間として扱う
  • 業務上の配慮(配置転換、対応業務からの一時的な除外)

一つ目については、社内規程での扱いを事前に決めておくとスムーズです。事案が起きてから判断すると、対応が遅れます。

会社自身が当事者になれる場合

投稿が業務に関連するものであれば、会社の信用に関する問題も同時に生じていることが多くあります。その場合、会社としても請求の主体になれます。

実務上は、この構成を採ることで、本人の負担を抑えながら手続を進められる場合があります。投稿の文面を精査し、会社に関する記載を切り出せないか検討してください。

対応しなかった場合のリスク

2026年10月1日から、カスタマーハラスメント防止措置が事業主の義務となりました。従業員が名指しされた投稿を会社が把握しながら何もしなかったという状態は、望ましくありません。

特定まで進めるかどうかは別として、把握した以上は何らかの対応を検討し、その経過を記録に残してください。本人の意向により手続を進めない場合も、その判断の経緯を残しておくことに意味があります。

特定に進む前に検討すべき代替手段

費用と期間を考えると、特定は最後の手段です。その前に検討できる方法があります。

一、削除で目的を達する

目的が「この投稿を消したい」であれば、特定は不要です。プラットフォームへの申請、裁判所を通じた削除の手続で足ります。特定より費用も期間も抑えられます。

二、返信で対応する

投稿が主観的な批判にとどまる場合、削除も特定も難しくなります。この場合、返信によって読み手に事実を伝えるほうが現実的です。返信の相手は投稿者ではなく、それを読む未来の顧客です。

三、相手が既に分かっている場合の書面

カスハラ客による報復投稿の場合、誰が書いたかの見当がついていることが多くあります。この場合、投稿の内容に触れた警告書を送ることで、削除に至るケースがあります。特定の手続を経ずに済む分、費用は大幅に抑えられます。

ただし、人違いのリスクがあります。投稿内容と、その人物との間の出来事との対応関係を、記録で説明できる状態にしてから送ってください。

四、投稿を増やす

消極的に聞こえますが、実務上は有効です。低評価が一件だけの状態と、多数の投稿の中の一件である状態とでは、読み手の受ける印象がまったく違います。既存顧客に投稿を依頼する場合は、利用実態のある方に限ってください。実態のない投稿の依頼は、ポリシー違反であるほか、広告であることを隠す表示として別の問題を生じます。

手続を進める場合の社内準備

一、費用の決裁を先に取る

手続は段階的に進むため、途中で追加の費用が発生します。着手してから決裁が下りないと、中断することになり、それまでの費用が無駄になります。全体の見込みを示し、まとめて決裁を得てください。

二、資料を一箇所に集約する

  • 保全データ(URL、投稿日時、アカウント名、画面全体の保存)
  • 対応の経緯が分かる記録
  • 投稿内容と事実を対照させた一覧
  • プラットフォームへの申請履歴と回答
  • 従業員個人が対象の場合、本人の意向を確認した記録

三、対応窓口を一本化する

専門家とのやりとり、社内への報告、従業員への説明。これらを複数人で分担すると、情報が錯綜します。窓口を一人に決めてください。

四、期間の見込みを社内で共有する

半年から一年程度かかる可能性があります。この見込みを共有しておかないと、数か月経った時点で「まだなのか」という話になります。手続の性質上、途中で状況が動かない期間があることも、あらかじめ伝えておいてください。

よくある質問

相手が誰か、だいたい見当がついています。手続は不要ですか

見当がついていることと、手続上「特定できている」ことは別です。人違いであれば、こちらが責任を問われる側になります。書面を送る場合も、投稿の内容とその人物との間の出来事との対応関係を、記録に基づいて説明できる状態にしておいてください。

投稿がすでに削除されています。特定できますか

保全ができていれば、可能性は残ります。逆に、保全をしていない場合は極めて困難です。削除後に相談に来られる方は多いのですが、この段階では打てる手が限られます。

同じ人物が複数のアカウントで投稿しています

それぞれについて手続が必要になるため、費用と期間が増えます。ただし、同一人物であることが判明した場合、悪質性を示す事情として意味を持ちます。まずはすべての投稿を保全し、全体像を整理してください。

行政書士に何を依頼できますか

保全した資料の整理、投稿内容と事実との対照表の作成、削除を求める書面の作成、社内での方針決定の支援などです。裁判所を通じた手続の代理は弁護士の業務となりますので、その段階では弁護士をご紹介します。初期の整理を当事務所で行い、そのまま引き継ぐ形が最も効率的です。

保全の具体的な手順

特定の可否は、保全の質でほぼ決まります。数分で終わる作業ですので、発見した従業員がその場でできるよう、手順を決めておいてください。

一、URLを控える

投稿単位のURLを取得してください。ページ全体のURLではなく、その投稿を指すURLです。多くのサービスでは、投稿の日時表示や共有ボタンから取得できます。

二、画面全体を保存する

ブラウザのアドレスバーが写る形で、画面全体をスクリーンショットで保存します。投稿部分だけを切り抜くと、どのサービスのどの画面かが分からなくなります。可能であれば、ページ全体を保存できる機能を使ってください。

三、投稿日時とアカウント情報を記録する

投稿日時は、後の手続で時間の経過を判断する前提になります。アカウント名、表示名、プロフィールに記載されている情報も記録してください。同一人物が複数のアカウントを使っている場合、この情報が突合の手がかりになります。

四、テキストを別途保存する

画像だけでなく、投稿の全文をテキストとしても保存してください。資料を作成する際に、そのまま引用できます。

五、発見の経緯を記録する

誰が、いつ、どのように発見したか。社内の対応記録として残します。会社が把握した時点が明確になることは、措置義務との関係でも意味を持ちます。

保全のチェックリスト

  • 投稿単位のURLを取得したか
  • アドレスバーが写る形で画面全体を保存したか
  • 投稿日時を記録したか
  • アカウント名・表示名を記録したか
  • 投稿の全文をテキストで保存したか
  • 発見日時と発見者を記録したか

社内での費用の位置づけ

従業員個人が対象の投稿について、会社が費用を負担するかどうかは、事前に決めておくべき論点です。

負担する場合の整理

  • 業務に関連して生じた被害であることを、社内で確認する
  • 支援の範囲(費用の全額か一部か、上限を設けるか)を決める
  • 手続に要する時間の扱い(就業時間として扱うか)を決める
  • 同種の事案が生じた場合に、同じ扱いができるかを検討する

四つ目が重要です。個別の判断で対応すると、次の事案で「前回はやってくれた」という話になります。規程に落とし込んでおくことをお勧めします。

負担しない場合の対応

費用を負担しない判断もありえます。その場合でも、専門家の紹介、就業時間中の対応の許可、業務上の配慮といった支援は可能です。「費用は出せないが、何もしない」という状態にはしないでください。

開示請求という言葉の整理

この分野では複数の用語が混在しており、相談の場面で話が噛み合わないことがあります。整理しておきます。

用語 意味
削除請求 投稿そのものを消すよう求めること。特定とは別の手続
発信者情報開示請求 投稿者に関する情報の開示を求めること
発信者情報開示命令 裁判所を通じて開示を求める手続の名称
ログの保存要請 記録が消えないよう、事業者に保存を求めること
特定 一連の手続を経て、投稿者の氏名・住所が判明した状態

四つ目は見落とされやすい論点です。手続を進めている間に記録が消えては意味がありませんので、早い段階で保存を求めておく必要があります。この点を含めて、着手のタイミングは早いほうが有利です。

特定を目指さない場合の現実的な着地

費用や期間の面で特定に進まないと決めた場合、次のような着地があります。何もしないという選択とは異なります。

一、削除まで進めて終える

投稿が消えれば、影響は止まります。特定と比べ、費用も期間も大幅に抑えられます。多くのケースで、これが現実的な着地点です。

二、書面で警告し、記録を残す

相手の見当がついている場合、投稿に触れた警告書を送るという方法があります。削除に至らなくても、警告した記録が残り、再発した場合の判断材料になります。

三、監視体制を整えて備える

今回は見送るとしても、次に投稿があった場合に即座に保全できる体制を作っておく。担当と手順を決めるだけで、次の対応は大きく変わります。

四、社内での整理を済ませる

従業員個人が対象だった場合、会社としてどこまで支援するのかを規程に落とし込んでおいてください。今回進めないとしても、次に同じことが起きたときに判断が速くなります。

相談時によくある行き違い

この分野は、期待と実態のずれが生じやすい領域です。あらかじめ共有しておきます。

「すぐに誰か分かる」と思われている

手続には段階があり、半年から一年程度を要することがあります。数日で判明するものではありません。

「費用は相手に請求できる」と思われている

調査に要した費用の一部が損害として認められる場合はありますが、全額が当然に回収できるわけではありません。回収可能性も相手の資力次第です。

「特定できたら必ず処罰される」と思われている

刑事手続に進むかどうかは別の判断であり、必ず起訴に至るわけではありません。特定の主な効果は、抑止と再発防止にあります。

「削除も一緒にできる」と思われている

削除と特定は別の手続です。両方を求める場合、それぞれについて進める必要があります。優先順位を決めてから着手してください。

投稿の影響をどう測るか

手続に進むかどうかの判断材料として、影響の程度を把握しておく必要があります。感覚ではなく、可能な範囲で数値化してください。

指標 確認方法
検索結果での表示 自社名で検索したときの表示順位
閲覧数 プラットフォームが表示する場合はその数値
評価の変動 投稿前後の平均評価の変化
問い合わせ 投稿に言及した問い合わせの件数
売上 投稿後の来客数・受注数の推移
採用 応募数の変化

最後の項目は見落とされがちですが、影響が長く続く領域です。求職者は必ず検索します。従業員が名指しされた投稿が残っている場合、その影響は採用にも及びます。

これらを整理したうえで、費用と比較してください。影響が数値で示せると、社内での決裁も速くなります。

依頼できる範囲と進め方

初期段階で当事務所が対応できること

  • 保全した資料の確認と、不足の指摘
  • 投稿内容と事実を対照させた資料の作成
  • 削除申請に用いる申請理由書の作成
  • 相手が判明している場合の、削除を求める書面の作成
  • 社内での方針決定に必要な整理(費用・期間・見込みの提示)
  • 従業員個人が対象の場合の、社内規程上の位置づけの整理

弁護士の業務となるもの

  • 裁判所を通じた開示の手続の代理
  • 投稿者との交渉、示談
  • 損害賠償請求訴訟の代理

効率的な進め方

初期の整理を当事務所で行い、手続に進む段階で弁護士に引き継ぐ形が、費用面では最も効率的です。資料が整理された状態で引き継げるため、弁護士側の作業も短縮されます。

まずは保全した資料をお持ちください。特定に進むべき事案かどうかの判断から、ご一緒に整理いたします。

時間の経過で何が失われるか

この分野で最も重要なのは、判断のタイミングです。時間の経過によって何が失われるかを整理します。

経過 失われるもの
投稿直後 (すべて可能)
投稿が削除される 内容を示す資料。保全していなければ回復不能
数か月 接続に関する記録が消える可能性
半年 名誉毀損・侮辱の告訴期間の問題が生じうる
一年以上 特定が事実上困難になる

このため、「様子を見る」という判断は、実際には「選択肢を捨てる」判断になっていることがあります。特定に進むかどうかを決めかねている段階でも、保全だけは直ちに行ってください。保全は数分で終わり、費用もかかりません。

逆に言えば、保全さえできていれば、判断は後回しにできます。まず保全、方針の決定はその後。この順序を社内で共有しておいてください。

従業員本人が手続を望まない場合

会社としては進めたいが、本人が望まない。この状況は珍しくありません。無理に進めることはできませんが、会社ができることはあります。

理由を確認する

望まない理由はさまざまです。手続の負担を避けたい、これ以上関わりたくない、費用の心配をしている、周囲に知られたくない。理由によって、会社が解消できるものもあります。費用や手続の負担が理由であれば、支援によって判断が変わることがあります。

会社が主体になれる部分を切り出す

投稿に会社の対応に関する記載が含まれていれば、会社の信用の問題として、会社自身が主体となって進められます。この構成であれば、本人の負担を抑えたまま対応できます。投稿の文面を精査してください。

判断を記録に残す

本人の意向により手続を進めないと決めた場合、その経緯を記録に残してください。会社が把握し、選択肢を示し、本人の判断を尊重したという経過が残ることに意味があります。

再燃した場合に備える

今回は進めないとしても、投稿の保全は行い、記録も保管しておいてください。同じ人物が再び投稿した場合、あるいは本人の意向が変わった場合に、その資料が必要になります。

まとめ:判断のチェックリスト

  1. 保全は完了しているか(URL・投稿日時・アカウント名・画面全体)
  2. 投稿は事実の摘示か、感想の域にとどまるか
  3. その事実が真実でないことを、記録で示せるか
  4. 特定した後に何をするのかが決まっているか
  5. 費用と期間の見込みを、社内で共有したか
  6. 従業員個人が対象の場合、本人の意向を確認したか

このうち三つ目で止まる場合、まず記録の整理が先です。二つ目で「感想の域」と判断される場合は、特定ではなく別の対応を検討してください。

行政書士に依頼できること・できないこと

当事務所では、カスタマーハラスメントへの対応について、次の範囲でご支援しています。

  • 対応できること:警告書・内容証明・出入り禁止通知書・告訴状などの書類作成、社内規程および対応マニュアルの作成、従業員向け研修の実施
  • 対応できないこと:相手方との交渉の代理、示談、訴訟の代理(いずれも弁護士の業務となります)

案件の性質によっては、当初から弁護士をご紹介いたします。まずは現在の状況をお聞かせください。ご相談は無料です。

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